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【全日本トラック協会】値上げ交渉着実に増加 軽油価格と運賃調査

 全日本トラック協会は、軽油価格が高止まりの状況にあることを踏まえ、運送業者の荷主との運賃値上げ交渉の状況、運賃転嫁の実態などを調査した。
 1月の軽油価格は1リットルあたり91.0円(スタンド)、85.8円(ローリー)、89.3円(カード)で、対前年同月比でみるとローリーで13.7円も上昇している(全ト協調べ)。 アンケート調査結果によると、燃料費のコスト増について、荷主に対し運賃値上げの交渉を行っている事業者は半数を超え、着実に増加しつつあることがわかった。運賃転嫁が実際にできた事業者も4社に1社の割合となり、その値上げ率は平均で3.4%であった。
 こうした運賃転嫁の交渉がうまくいった要因として、全ト協は「荷主もトラック運送業界の苦境を理解してきていること、軽油の値上がりが社会的に認知されてきたことが挙げられる」と分析している。
 アンケートは2月17日から3月13日までの間、全国900事業所に配布し584票を回収(回収率64.9%)した。
 集計結果によると、軽油価格の高騰に伴うコスト増分について、「主たる荷主」に対し運賃値上げ交渉をしているかどうかについては「交渉した」が18.2%、「交渉している」が36.6%となり、半数以上の回答者で交渉を実際に行っている状況が窺えた。一方「交渉していない」とする回答は33.0%みられた。なお、全ト協では同様のアンケートを17年7月、10月、12月、18年1月に実施しているが、調査時点を追うごとに「交渉した」とする回答比率が高くなっている。
 また、軽油価格の高騰分のコストを荷主に転嫁できているかどうかについては、「まったく転嫁できない」が73.1%だった。一方、「ほぼ転嫁できている」は0.9%、「一部転嫁できている」は23.6%となっており、4社に1社の割合で何らかの転嫁がなされている。
 従来の運賃から比べて「どの程度値上げできたか」については、「1%未満」が最も多く21.7%。「2?3%未満」(20.9%)、「3-4%未満」(17.1%)がこれに続く。平均では3.4%の値上げとなっている。
 値上げ交渉がうまくいった要因・秘訣としては、「荷主がトラック業界の苦境を理解してくれたから」(59.7%)、「軽油値上がりが社会的に認知されてきたから」(59.7%)が多くなっている。「何回も交渉して、理解を得たから」(46.8%)、「日頃から荷主とのコミュニケーションが円滑だったから」(36.7%)がこれに続く。