ビジネス・キャリア検定試験 標準テキスト ロジスティクス・オペレーション 2級
監修 苦瀬博仁・坂 直登 中央職業能力開発協会 編
ビジネス・キャリア検定試験標準テキスト発刊に当たって
企業の目的は、社会的ルールの遵守を前提に、社会的責任について配慮しつつ、公正な競争を通じて利潤を追求し永続的な発展を図ることにあります。その目的を達成する原動力となるのが人材であり、人材こそが付加価値や企業競争力の源泉となるという意味で最大の経営資源と言えます。企業においては、その貴重な経営資源である個々の従業員の職務遂行能力高めるとともに、その職務遂行能力を適切に評価して活用することがもっとも重要な課題の一つです。
中央職業能力開発協会では、これまで厚生労働省認定講座修了者等を対象に教育訓練の成果確認試験として、ビジネス・キャリア試験を実施してきましたが、平成19年度からは、ビジネス・パーソンを対象にその実務能力を客観的に評価するための公的資格試験として「ビジネス・キャリア検定試験」にリニューアルすることになりました。
このビジネス・キャリア検定試験は、「仕事ができる人材(幅広い専門知識や職務遂行能力を活用して、期待される成果や目標を達成できる人材)」に求められる実務能力を判定するための能力評価試験です。また、国の定める業種別職業能力評価基準に準拠した試験基準・ガイドラインに基づき作成され、ビジネス・パーソンに必要とされる職務を幅広く網羅(8分野 1級:10種類、2級:20種類、3級:15種類)した唯一の体系的な公的資格試験です。
2級検定試験は、課長・マネージャー等を目指す人、又はシニアスタッフを対象としています。従って、担当する職務に関する幅広い総合的な専門知識を基に、創意工夫を凝らし自主的な判断・改善・提案を行いながら業務を遂行できる人材、即ち、マネジメント力のある人材の育成と能力評価を目指しています。試験問題としては、総合的な専門知識を基に実践的応用力を問う問題や、個別事例を分析し実践的な経営判断を問う総合事例問題などが出題されます。
中央職業能力開発協会では、ビジネス・キャリア検定試験をスタートするに当たり、標準テキストを発刊することにしました。2級標準テキストは、3級標準テキストに記載された基礎的専門知識の習得を前提に、当該部署の責任者として求められる総合的な専門知識を習得するとともに、ビジネスの実務で直面する様々の課題を主体的に解決するための対策を計画・実施・評価する際のポイント、留意点を習得することをねらいとしています。
本書は、2級検定試験の試験対策だけでなく、その職務の責任者として特定の企業だけでなくあらゆる企業で通用する実務能力を習得することにも活用することができます。また、本書は、企業のビジネスの要として現在活躍され、あるいは近い将来活躍されようとする方々が、自らのエンプロイアビリティをさらに高め、名実ともにビジネス・プロフェッショナルになることを目標にしています。
標準テキストは、読者が学習しやすく、また効果的に学習を進めていただくために次のような構成としています。
現在、学習している章がテキスト全体の中でどのような位置付けにあり、どのようなねらいがあるのかをまず理解し、その上で節ごとに学習する重要ポイントを押さえながら学習することにより、全体像を俯瞰しつつより一層効果的に学習を進めることができます。さらには、章ごとの確認問題を用いて理解度を確認することにより、理解の促進を図ることができます。