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郵政民営化で始まる物流大戦争
小泉純一郎内閣は「郵政民営化実現内閣」を高らかに宣言したが、国民から十分な支持を得ているとは言えない。国内には年金・福祉問題など他の懸案事項が山積し、早急な民営化策がヤマト運輸ら民間の現業を不当に圧迫するという意見が逆風の根底にある。しかし、物流事業の専門家である著者は単に国内問題ととらえるのではなく、グローバルな視点で論じなければ本質は見えてこないと語る。本書は郵政民営化の基本知識を分かりやすく論じながら、世界経済の現場で既に勃発している熾烈な物流戦争の実態を示し、日本が生き残るために必要な業界再編構想を解説したものだ。
著者は「郵政民営化が郵便とグローバル物流を兼ね合わせた視点からも緻密にコーディネートされれば、間違いなく日本経済再生の軌道が出来上がるだろう」と自信を持って語る。その根拠は欧州にあると指摘。ドイツポストが民営化によって世界物流の覇権を米国の巨大企業と競い合うまでに成長した事例を示し、民営化後の郵政公社がアジアの物流市場において重要な地位を占める可能性を論じる。一方で、米フェデラル・エクスプレスなど強力なライバル企業の日本市場までをにらんだ世界戦略を示し、無策であれば後塵を拝するであろうと警鐘を鳴らす。
(日経ビジネス 2004/10/25 Copyrightc2001 日経BP企画..All rights reserved.)
内容(「BOOK」データベースより)
"民営郵政"を取り巻く国内外の熾烈な競争が始まる!公社化から民営化への道筋をたどっていくことになる日本郵政公社は、郵便・物流・金融の各部門を有機的に融合した"企業空母"として、日本経済再生の強力な推進力となる可能性を秘めている。
プロローグ 郵政民営化で業界に激震がはしる!
第1章 郵政民営化で日本はどうなる!?―日本郵政公社は世界を震撼させるか?
第2章 拡大を続ける欧州巨大ポスト!―郵便市場統合で欧州郵便・物流マーケットの再編が加速!
第3章 輸送ビジネスを刷新する米国物流メガ企業―IT革命によるサプライチェーンマネジメントの進化が米国物流ビッグバンの呼び水に!
第4章 日本郵政公社が挑む世界物流大戦争―"世界郵便・物流企業戦争"の幕開けで進む国際レベルでの業界再編
第5章 揺れる日本郵政公社の郵貯・簡保戦略―国営のままでは郵貯・簡保は生き残れない!
第6章 グローバル化のなかで物流企業を見定めるポイント―望まれる国際的な視点からの物流戦略!