著者からのコメント
私がニューヨークで働く機会を得た1990年代のはじめから
今日まで、アメリカのビジネス社会が私に教えてくれたのは、今までの古い枠組
みを大胆に壊して、「人」を生かすためのよりよい仕組みやシステムを創出し続
けようとするダイナミズムでした。
それは、わくわくするような緊張感であり、成果を生みだすための自分の努力
と成長をサポートしてくれる環境であり、その成果が正当に評価され、さまざま
な形で報いられる社会の仕組みといったらいいでしょう。
そしてまた、異質なものや少数意見を排除せず、「多様性」を受け容れて、な
おかつそれを価値に転換しようとする、とてつもなく大きな、かつフレキシブル
なカルチャーの存在を、その中で感じることができました。
それと同時に、マネジメント力とは、とりもなおさず部下へのモチベーション
力であり、コミュニケーション力であるということも、私がアメリカのビジネス
社会から学んだことの一つです。
日本企業にも、私がアメリカで体験したような、絶えざる改革への意志とダイ
ナミックな運動性を獲得してもらいたい。密室の中の人事施策や評価ではなく、
誰にでも見えるオープンでわかりやすい制度やシステムの中で、社員が常にモチ
ベイトされ続ける文化や仕組みを構築してもらいたい。私はそのように切望しま
す。
そんな会社のイメージをあらわしたものが「月曜の朝がいちばん楽しい会社」
です。この1冊が企業のトップ、人事担当者の刺激になれば幸いです。