出版社/著者からの内容紹介
これまで日本の社会、ならびに職場では、いわゆる「タテマエとホンネの使い分け」で物事に対処してきました。しかし、至る所でその矛盾が露呈され、弊害が現れはじめています。
本書ではまず、私たちの身のまわりのさまざまなエピソードや事件を拾い集めながら、個人のホンネとかけ離れたタテマエ論がいかに危険か、あるいは無駄が多いかを説いています。
たとえば、「お客様第一」がなぜ空文に終わるのか、モーレツな会社人間が一転して会社にぶら下がり始めたのはなぜか、さまざまな組織活性化策が行き詰まる理由はどこにあるのか、公務員に対する厳しい管理が裏目に出るのはなぜか、といった問題を取り上げます。さらに、「公」=タテマエ、「私」=ホンネという構図のなかから、タテマエ主義の病理を暴いていきます。
そして、こうした現象や問題を引き起こす個人のホンネに肉薄し、そのホンネから出発する組織づくりについて展望を示します。
タテマエ主義から脱却し、個人、そして組織のホンネにこだわりながら、どうすれば個人にとっても組織にとってもよりよいシステムがつくれるかを述べています。
本書は主として企業組織について述べていますが、内容の多くは役所、学校、労働組合などの組織にも当てはまります。
なお、各章の末尾には、タテマエとホンネに関するエッセイを載せています。
内容(「BOOK」データベースより)
かつて世界に優秀さを誇った日本の組織は今、活力と信頼を失いつつある。その原因は、組織が個人のホンネから乖離したタテマエ論に支配され、環境の激変により、それが通用しなくなったためではないだろうか。本書では、組織における人びとの行動や人間関係に焦点を当て、さまざまな事例やエピソードを紹介しながら、隠れたホンネがいかに大きな力を持っているかを明らかにし、個人のホンネに基づいた組織づくりを提唱する。
第1部 なぜ、やる気がでないのか(「お客さま第一」のウソ
「ぶら下がり」はじめた社員たち
タテマエ主義で行きづまる組織活性化策
「タテマエによる管理」の失敗―役所を例に)
第2部 ホンネの抑圧が組織を滅ぼす(「公」を装い「私」をとおす
不祥事もタテマエ論から
危険なタテマエの押しつけ)
第3部 ホンネからの組織づくり(「健全な利己心」を出発点に
ホンネの中身を探る
ホンネに届けば人は動く)