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■NSユナイテッド海運/新たな10年に向けていい流れをつくっていこう(新年あいさつ)
2020年 新年あいさつ
新たな10年に向けていい流れをつくっていこう
NSユナイテッド海運株式会社 代表取締役社長 谷水 一雄
皆さん新年あけましておめでとうございます。 2020年節目の年が始まります。まずは今年1年事故や災害がない良い年にしていきたいと 思います。 年末年始も安全運航に従事いただく海上勤務の方々に御礼申し上げると共に、新年のごあいさ つを申し上げます。
我々を取り巻く世の中の動き
昨年の世界は、米中摩擦から政治と経済のギクシャクが続き、前向きな前進はほとんどありま せんでした。むしろ経済面では、その悪影響から世界で成長鈍化が少しずつ表面化し、2019 年の成長率は3%スレスレまで下がると予想されています。 一方で足下はそんな危機感からでしょう。世界を覆っていた不確実にもようやく軌道修正の動 きがあり、その結果経済成長鈍化も今が底とのムードが広がりつつあります。ただし、これから 本当にどうなるのか実態とのギャップは大きく、今後の景気の足取りが見通しにくいのが現状で す。特に中国の動向からは目が離せません。 日本経済については、製造業の落ち込みが大きく、貿易摩擦もありますが、景気循環を超えた 産業としての歴史的な構造問題が背景にあることから、今後の日本発着の貨物の動向にはよく注 視していく必要があります。 鉄鋼景気については、欧州米国日本インドが後退する中で、中国だけが10億トンにせまる生 産を続け、鉄鉱石と石炭の輸入もこれまで堅調な推移となっています。引き続き世界のバルクの 動きは中国次第ということが言えます。 そのような中で海運マーケットについては、ここまでほぼ予想した範囲で推移し、少しずつ一 定のレベルへ回復してきましたが、一方で攪乱要因も多くボラティリティが大きいのが特徴です。 これからも我々はそういうマーケットと向き合っていかなければなりません。
持続可能な次の10年に向けて
さて、昨年はやるべき課題の多い年でありました。スクラバー工事、適合油への切り替え、そ してVALEMAX他多くの新造船竣工と忙しい年となりましたが、やるべきことをやれば収益 はついてくるという年でもありました。いよいよ準備期間から本番へ。これからの3カ月が踏ん 張りどころ、スクラバー適合油のトラブルミニマムと安定運航によりまずは目の前の通期目標達 成に向け頑張っていきましょう。 そして2020年は統合10年と節目の年。昨年の夏から皆さんと次の中期計画を検討中です が、これまでの10年を振り返ると共に、次の10年に向けた準備を進める大事な計画です。大 切なことは、引き続き持続可能なより良い会社にするため全員参加で議論していこうということ です。 これまでの10年は、旧新日鐵住金誕生により、拡大する輸送ニーズに応えるための船隊整備 が中心課題でした。また統合会社としての門構え、財務健全化、事業ポートフォリオ見直しなど、 ハード面にフォーカスしてきたところです。そして皆さんのおかげで会社として一定の実績をあ げることができました。 次の10年も、引き続きどんな船づくりをどう進めていくかハードの課題は重要です。地球温 暖化対応という最終目標から船づくりを解きほぐし、進むべき方向をまとめ、今何をすべきか具 体化していきます。さらに、今まであまりフォーカスしてこなかった「人と技術」つまりハード を支える見えない資産にもフォーカスしていきたいと思います。今のままでいいのか、虚心坦懐 に見つめ直していきましょう。 繰り返しになりますが、当社の企業価値は、誠実で良質な海上輸送品質と鉄鋼電力資源各社と の取引を通じたバルクでの実績、そしてそこから生まれる信用と信頼です。このUブランドを支 える人と技術に一層磨きをかけて次の10年につなげていきたいと思います。
今年の取り組み
続いて、今年の取り組み課題にについていくつか触れたいと思います 第一は、着実な業績積み上げです。先ほども少し触れましたが、2019〜2020年で当面 の船隊拡大整備が一巡、いよいよこれを利益につなげていく段階に入っていきます。従来のコア 事業を土台に少しずつ新たな展開も積み上げ、引き続き中期の目標達成に向けた頑張りに期待し ています。 第二は、事業環境変化への対応です。日本経済を語るとき、必ず挙げられるのが日本の地盤沈 下です。中でも世界経済に占める日本のウエイト低下を象徴するのが製造業の苦戦です。そして その典型が我々に最も関係する鉄鋼であり造船です。中国との競争にどう対応するか、これは日 本の縮図でもあり大きな曲がり角となっています。 昨年、日本製鉄の構造改革に向けたアナウンスがありましたが、今後打ち出される具体的施策 によっては、数量面・配船面・船舶ニーズの面で従来とは違った柔軟な対応が求められます。そ の際当社の基本はインダストリアルキャリアでありその原点を大切に、いつのときでも原料と鉄 鋼製品、外航と内航も合わせ真摯に対応できるよう務めていきましょう。 一方で、世界は少しずつ広がっていくと言われています。目線をもう少し海外にも向けながら 新たなことにもチャレンジしていく年にしたいと思います。 第三は、二酸化炭素削減への取り組みと次の時代の船づくりです。昨年12月当社はLNG燃 料バルカー設計の基本認証を取得し、今後の建造に向けて動き始めました。日本のLNG普及の 動きは遅れており、大型船中心に当面の現実的な手段としてモメンタムを上げていく必要があり ます。どうすれば競争力を確保できるのかさらに具体的検討を重ねていきたいと思います。 環境をめぐる世の中の動きは想像以上に速いです。対応を怠るとドロップアウトしてしまう。 当社としての運航効率改善と環境マネジメント目標である二酸化炭素削減に向けて知恵を出して いきましょう。 第四は、船会社として運航面の信頼性維持向上です。最近はバルクにおいても期待される運航 管理レベルが上がっており、昨年の鉄鉱石積出港での出来事 はありがたい教訓となりました。中 計のタスクフォースでも取り上げたように、高度化する顧客ニーズに応えるべく運ぶ力をさらに 磨いていきましょう。安全運航、船舶管理、船員教育、IT活用、どんどんアイデアを出しても らって経営資源も投入していきます。 第五は、当社ならではの内部統制活動の展開と働きやすい職場づくりです。会社運営において ガバナンスは骨格、CGコードは筋肉、それらを支えるのは血管や神経となる各職場での自律的 内部統制活動です。昨年は当社ならではのリスクマップ活動も緒に就きました。また意識調査で も職場から生の声が寄せられています。こういった活動を定着させ、経営としても真摯に受け止 め、広い意味でのコンプライアンス意識向上と業務の改善、働きやすい職場づくりに務めていき たいと思います。またパワハラも忘れてはいけません。上下相互に信頼し合える職場に向けて働 きかけていきたいと思います
全員の力でいい流れをつくっていこう
最後になりますが、製造業が厳しいと申し上げました。過去にも大変な時はたくさんありまし たが、今回は質的に異なる歴史的なうねりのようなものを感じます。チャイナウエーブ、中国に 押される鉄鋼と造船ということについて触れましたが、これはお世話になってきた当社や海運と しても同じ危機感を共有して臨む必要があります。またこういうときこそ目線を高く、業界発展 のため、一緒にワークしていきましょう。 今年はいろいろとチャレンジングな1年になりそうです。あらためて広がる海にどんな絵を描 いていくのか。その一歩となる年にしたいと思います。 現在進行中の中期計画検討にあたって、キックオフから始まり、タスクフォース、職場での具 体化、海外との意見交換、そして全体会議と、コミュニケーションが広がったのではないかと期 待しています。こういうプロセスを通じて全員がお互いの理解を深め、大きな課題を共有し、同 じ方向を向いて頑張ることが大切です。 新たな10年に向けて、次につながるいい流れをつくっていきたいと思いますので1年間よろ しくお願いいたします。
 
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