乾汽船／ｵﾍﾟﾚｰｼｮﾝのｶｲｾﾞﾝ､資産のﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ､新しいﾛｼﾞｽﾃｨｸｽﾌﾟﾗｯﾄﾌｫｰﾑの構築を３つの経営の軸に（統合後の経営方針）｜物流ﾆｭｰｽ

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■乾汽船／ｵﾍﾟﾚｰｼｮﾝのｶｲｾﾞﾝ､資産のﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ､新しいﾛｼﾞｽﾃｨｸｽﾌﾟﾗｯﾄﾌｫｰﾑの構築を３つの経営の軸に（統合後の経営方針）

統合後の経営方針について
2014 年10 月1 日､旧乾汽船株式会社と旧ｲﾇｲ倉庫株式会社は経営統合し､新たな乾汽船株式会社としてｽﾀｰﾄを切りました｡当社の経営の方向性につきましては統合前より取締役を中心に検討を重ねてまいりましたが､この度､今後の会社運営の基本となる経営方針を策定し､本日開催の取締役会において決議しましたのでお知らせ致します｡
記
1．新たな乾汽船について旧乾汽船､旧ｲﾇｲ倉庫はそれぞれ外航海運業と倉庫業という領域で110 年と90 年､合せて200 年にわたり事業活動を行ってまいりましたが､昨今これら運輸や物流を取り巻く事業は､物の流れを全体最適化させようとする｢ﾛｼﾞｽﾃｨｸｽ｣という考え方に包含されつつあります｡加えて､日本企業の活動は国外に広がり､国際的な物の流れはますます盛んになろうとしています｡このような時代の変化に対応し､既存のお客様にも新たなお客様にも引き続き選ばれる企業となるためには､当社だからこそ提供できる価値の創造が必要となります｡その価値とは｢ﾓﾉをよく運ぶ｣ことであると考えます｡｢よく｣とは､｢良く｣､｢能く｣､｢善く｣､です｡｢ﾓﾉをよく運ぶ｣ことが､当社のﾛｼﾞｽﾃｨｸｽの目指す姿であります｡
2．3 つの経営の軸旧乾汽船と旧ｲﾇｲ倉庫が合せて200 年にわたって築いてきた実績と経験を基点に据え､今後の経営の方向として3 つの軸を定めました｡
① ｵﾍﾟﾚｰｼｮﾝのｶｲｾﾞﾝ二つの会社は従前より､それぞれの事業における改善活動に継続的に取り組んでまいりました｡しかし､双方の事業をもう一方の視点から見ることで､新たなﾑﾘ､ﾑﾀﾞ､ﾑﾗが見えてきます｡当社の直接のお客様だけでなく､その先の最終需要家までを見据えて物流の最適化を図るためには､現場､営業､ｺｰﾎﾟﾚｰﾄ等､様々な業務において改善すべき余地が残されています｡
当社ｸﾞﾙｰﾌﾟの全役職員は､それらの改善項目を一から見直し､全ての領域において継続的なｶｲｾﾞﾝ活動に取り組んでまいります｡
② 資産のﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ継続的に投資が必要となる当社事業において､常に市況の波を捉えながら､船舶､物流倉庫､不動産等の資産ﾎﾟｰﾄﾌｫﾘｵの最適構成を維持し続けることは相応の経験とﾉｳﾊｳを必要とします｡これまでの経験の上に新たな知見を積み上げ､遺漏なく慎重に進めてまいります｡各々の資産を事業の推進力･競争力とすべく､環境の変化に対応した資産ﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄに注力してまいります｡
③ 新しいﾛｼﾞｽﾃｨｸｽﾌﾟﾗｯﾄﾌｫｰﾑの構築これからの時代は､単一の輸送や物流の中の一機能ではなく､国際間における一貫したﾛｼﾞｽﾃｨｸｽｻｰﾋﾞｽが求められます｡当社の持つ外航海運業と倉庫業を軸としつつ､それらを補完する事業者との提携･協力等により､新たなﾛｼﾞｽﾃｨｸｽﾌﾟﾗｯﾄﾌｫｰﾑの構築に取り組んでまいります｡まずは国際交易における物流情報の体系化と管理ｻｰﾋﾞｽから着手し､ｸﾞﾛｰﾊﾞﾙﾛｼﾞｽﾃｨｸｽの実現に貢献するｻｰﾋﾞｽを展開いたします｡
3．組織とｶﾞﾊﾞﾅﾝｽについて当社は比較的規模の小さな組織であり､その規模に適合した機動的かつ効率的な体制を維持するため､常に組織の簡素化と業務の効率化に取り組んでまいります｡取締役会は､監査役を含め総数8 名のうち社外取締役･監査役が5 名となっており､独立性が高く､かつ多様性に富んだﾒﾝﾊﾞｰ構成により､透明性と公平性の高い経営判断を標榜します｡
4．配当についての考え方配当政策は当社の最重要課題と位置付けております｡当社の配当政策は､業績に応じた配当を基本としつつ､業績にかかわらない一定水準の配当を安定的に維持することを目標とします｡安定配当の考え方は､現在を基点として3 ヵ年先までを見据えることとしており､これまで着実に積み重ねてきた内部留保と賃貸不動産等の安定収益を基盤に､配当政策の実現に取り組んでまいります｡
5．経営管理の重点指標当社の事業は､定期的な大型投資や市況変動･為替変動などの影響から､一定の資金需要の波があることを前提とした運営が必要となります｡経営実態をより正確に把握し適時適切な経営判断を行うとともに､安定配当を維持していくためには､ｷｬｯｼｭﾌﾛｰ管理の視点が最も重要であると考えております｡今後2017 年3 月期までの2 ヵ年半は､まず安定配当の維持を可能とする事業の基礎構造を構築してまいります｡我が国の躍進に欠かせなかった外航海運業と､信用と共にあり､大量製造と大量販売に支えられた倉庫業｡二つの本業は､世の事業環境の変化の中でその期待役割が変わろうとしています｡合せて200 年のご愛顧に応え､これからのﾛｼﾞｽﾃｨｸｽ機能となるべく､我々は愚直な挑戦を続けてまいります｡
以上