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■商船三井/安全運航プロセスの「見える化」を一層推進(社長年頭挨拶) |
社長年頭挨拶 社長 武藤 光一 天は自ら助くる者を助く MOLグループの皆さん、新年明けましておめでとうございます。 今年の干支のヘビは金運を呼ぶ動物と言われており、財や繁栄の象徴とされています。私は今年の歳男ですので、吉祥を取り込みつつ率先垂範し、MOLグループの繁栄のための礎を築く年にしたいと思っています。本日は、三つのお話をしたいと思います。一つ目は当社のおかれた厳しい経営環境について、二つ目は危機を打ち破るために今後当社が取るべき進路について、そして最後に継続的な取り組みについてお話します。 「当社の経営環境について」皆さんよくご存知の通り、当社は今極めて厳しい経営環境の中にあります。昨年度の史上最大の赤字に続き、今年度もそれと同規模の赤字を計上する見通しとなっています。欧米及び中国の経済減速、円高、バンカー高など外部環境が海運業にとって厳しいものであったことも要因ではありますが、このような苦境に陥った原因は何か、冷徹に現実を直視せねばなりません。最大の原因は、未曾有のドライ市況・タンカー市況の低迷によって当社のフリー船隊が大幅な赤字運航に陥っていることです。2012年の新造船竣工量は過去最大であった前年を上回るペースで推移したのに対し、中国の経済成長の鈍化によって資源・エネルギーの海上荷動きが伸び悩んだ結果、船腹需給ギャップが拡大し、海運市況が歴史的低水準で長期間推移しました。これにより、市況高騰時には大幅な利益を上げた当社フリー船隊も、これまでの営業努力により積み上げた安定利益を大きく毀損する損失の発生を余儀なくされ、会社全体の損益は赤字に陥りました。今年の後半あたりから、新造船供給量が減少する一方、新興国を中心に堅調な荷動きが見込まれ、需給ギャップの改善により海運市況は回復してくると思いますが、近年大幅に規模を拡大してきた中国の造船所などが操業維持のために今後も新造船をハイペースで建造し続けた場合には、市況回復の足枷となる可能性もあります。2013年の経営環境も引き続き大変厳しい場合も有り得るというストレスシナリオをベースとして、黒字化必達のために、市況回復頼みではない事業構造への転換が求められています。 「今後の対策について」それでは、この状況にどのように対処すべきでしょうか。まずは、赤字の元凶となっているフリー船のマーケットエクスポージャーを縮小する必要があります。一般論としては、マーケット低迷時は競争力のあるフリー船を仕込むタイミングではありますが、当面マーケットの変動による損益の下振れリスクを小さくするため、タイミングを見計らいながら、できるだけ貨物を取ってマーケットエクスポージャーを縮める努力をしなければなりません。そのためには、アンテナを高く張り変化の兆しをいち早くつかんでお客様のニーズを的確に捉え、当社の信用力と技術力を活用し、一人ひとりの営業力を十二分に発揮して、安定収益の上積みに努めてください。さらに、フリー船の隻数そのものを削減するために、スクラップ、売船、返船、竣工遅延など、取引先からの協力を得ながら、できることをすべて実行して、市況リスクへのエクスポージャーを抑え、耐性を高めることが必要です。また、これまでの営業活動のスタイルから新たなビジネスモデルへの変革も必要です。既に当社では定航部門の本社機能の香港への集約、バルカー・タンカー部門のシンガポールでの拠点拡充などを進めており、今後さらに海外のシッピングセンターで顧客志向の営業展開を急ピッチで進めることが重要です。創意工夫により当社ならではの事業形態を追求してください。さらには、次元を異にしたコスト削減を実行せねばなりません。目の前にあるモノ、一つ一つの自分のアクションを指差し確認してなぜそうしているかを見つめ、あらゆるレベルでコストの棚卸し、業務プロセスの改善を押し進めてください。これまでコスト削減は減速航海の深度化などで一定の成果を出していますが、私の目から見てもまだまだ余地はあります。私自身も意識してあらゆる出費を見つめ直していこうと思います。 平常時であれば、今年は新たな3カ年中期経営計画のスタートを切る年ですが、これまで述べてきた具体的なことすべてを実行プランとして盛り込んだ2013年度の単年度経営計画を策定し、黒字化必達のために集中力とスピード感を持って進めていきたいと考えています。 長期低迷する市況の回復を期待する気持ちも正直なところあるでしょうが、マーケットを作っているのは日々のビジネスを決めているわれわれ自身であることも認識してください。コンテナ船事業では、厳しい環境下でもアライアンス再編による船腹調整、減便、消席率追求の自制などにより昨年前半には運賃修復が図られました。このように、事業環境に対して決して受け身にならず、自ら主体的にマーケットをリードする気概をもって正々堂々と市況に対峙してください。 「継続的な取り組み」安全運航は、いかなる環境においても揺るぎない至上命題です。また、お客様をはじめとするステークホルダーから信頼され、選ばれるための原点でもあります。安全運航プロセスの「見える化」を一層推進するとともに、ソフトとハードの両面を強化することで「4ゼロ」(重大海難事故・油濁による海洋汚染・労災死亡事故・重大貨物事故のゼロ)を達成し、世界最高水準の安全運航を目指すべく、日々の業務にあたってください。また、コンプライアンスは経済活動に携わる全企業共通の社会的責任です。昨年9月に公正取引委員会が自動車船にかかわる嫌疑で当社への立ち入り調査を実施しました。これまで当局の調査には全面的に協力しており、これからも協力を継続します。嫌疑とはいえ、調査の対象となったことは誠に遺憾であり、コンプライアンスを一層徹底するために先般、行動指針を改定しました。世界中で働く皆さん一人ひとりが法令遵守・企業倫理に対し強い意識をもって業務を遂行するよう改めて念押しをします。 「天は自ら助くるものを助く(Heaven helps those who help themselves)」。日本の近代化の原動力となった、英国の作家サミュエル・スマイルズ氏の「自助論」にあるこの言葉を噛みしめて、これまでに述べた一つ一つのことに、前例にとらわれず今までとはステージを変え、衆知を結集して、取り組んでください。足元は火事で燃えています。黒字化のためにできることはすべて行う覚悟を決め、非常時における危機バネを働かせて、皆さんの底力を発揮してください。そして黒字化を確実とした上で、新たな成長軌道を目指して今後の経営戦略を練っていく。私も決意を固めて臨みます。 最後になりますが、2013年のMOLグループ全運航船の安全を誓い、全世界の当社グループの皆さんとご家族のご健康とご多幸を祈念して、私の新年の挨拶といたします。 |
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