村田製作所／世界最小HF帯RFIDﾀｸﾞ量産開始｜物流ﾆｭｰｽ

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■村田製作所／世界最小HF帯RFIDﾀｸﾞ量産開始

情報の読み取りをより手軽に世界最小! HF帯RFIDﾀｸﾞの量産開始について

2012年9月20日株式会社村田製作所代表取締役社長村田恒夫

要旨
株式会社村田製作所は､世界最小HF帯RFID*1ﾀｸﾞ (3.2 x 3.2 x 0.7mm) を量産開始いたします｡当社独自の多層基板技術､高周波ﾓｼﾞｭｰﾙ技術により､平面で構成するのに比べて10分の1の小型化に成功しました｡
なお当製品は､2012年10月2日～10月6日に千葉県幕張ﾒｯｾで開催されるCEATEC JAPAN 2012にて展示いたします｡
背景･概要
RFID*2とは､ID情報を埋め込んだICﾀｸﾞから､近距離無線通信によって情報をやりとりする技術全般を指します｡最近では鉄道の乗車ｶｰﾄﾞや電子ﾏﾈｰなど非接触ICｶｰﾄﾞに利用され､私たちの生活の利便性向上に大きく貢献しています｡当社が2008年に商品化したRFID用ﾃﾞﾊﾞｲｽ｢ﾏｼﾞｯｸｽﾄﾗｯﾌﾟ?｣もこれまで工程管理などに使用されてきました｡
通常､RFID用ﾃﾞﾊﾞｲｽはICﾀｸﾞとｱﾝﾃﾅが必要であり､なかでもHF帯は低周波帯を使用することからｱﾝﾃﾅｻｲｽﾞが非常に大きくなるため､小型化には限界があると言われていました｡そこで当社は､長年培った多層基板技術､高周波ﾓｼﾞｭｰﾙ技術を応用し､ｾﾗﾐｯｸ基板内部にｱﾝﾃﾅを構成することで､平面で構成するのに比べて10分の1の小型化に成功しました｡また､当製品はｾﾗﾐｯｸﾓｼﾞｭｰﾙ構造を用いているため､非常に高い耐環境性能を有し､さまざまな環境下での安定的な動作が可能になりました｡

特徴

HF帯RFIDﾀｸﾞでは世界最小
あらゆる物体への取り付けが可能
ｱﾝﾃﾅ設計が不要なため取り扱いが容易
非常に高い耐環境性能 (高温､高湿)
ISO15963規格*3に準拠､同規格対応のﾘｰﾀﾞﾗｲﾀ*4による内部ﾒﾓﾘからの読み込み･書き込みが可能
NXP社製IC"ICODE SLIx"を使用
取締役常務執行役員技術･事業開発本部本部長家木英治のｺﾒﾝﾄ

当製品はﾑﾗﾀがこれまで培ってきた多層基板技術､高周波ﾓｼﾞｭｰﾙ技術を結集させた超小型部品です｡現在急速に普及している非接触ICｶｰﾄﾞ以外にも､たとえばあらゆる対象物に本ﾀｸﾞを取りつけることで､ｽﾏｰﾄﾌｫﾝとの連携が可能となります｡当社では様々な分野でのご活用を想定し､お客様の潜在的なﾆｰｽﾞに柔軟にお応えしてまいります｡
用途
小型器具･物品の追跡､管理､認証､真贋判定など
品番
LXMS33HCNG-134
電気的性能
読み取り距離15mm (ﾘｰﾀﾞﾗｲﾀ出力: 200mW､ｱﾝﾃﾅｻｲｽﾞ: 35x54mm)
外形寸法図
3.2 x 3.2 x 0.7mm

[mm]

Mark
Dimensions

L
3.2±0.2

W
3.2±0.2

T
0.7 (max)
生産体制
2012年10月より福井村田製作所にて量産開始 (100万個/月)
ｻﾝﾌﾟﾙ価格
100円/個
用語説明

*1
HF帯RFID:
13.56MHzで､一般的な非接触式ICｶｰﾄﾞが利用している周波数帯｡現在は､このHF帯のICﾀｸﾞが広く使われている

*2
RFID:
Radio Frequency Identification (電波による個体識別) の略｡ID情報を埋め込んだﾀｸﾞから､電磁界や電波などを用いた近距離無線通信によって情報をやりとりするもの｡この技術を用いれば､小さな部品に情報を詰め込み､それを離れたところから読み取ることが可能｡ﾊﾞｰｺｰﾄﾞと比較して､読み取り範囲が広い､一度に複数のﾀｸﾞを読み取り可能､情報の変更が可能などの特長があり､流通での在庫管理や､工程での仕掛かり製品の管理などへの利用が始まっています

*3
ISO15963規格:
無線ICﾀｸﾞのID仕様が定められた国際標準規格

*4
ﾘｰﾀﾞﾗｲﾀ:
ｱﾝﾃﾅを介して無線ICﾀｸﾞと通信し､ﾃﾞｰﾀの読み書きをする装置