日本郵船／ﾌｨﾘﾋﾟﾝ人船員を積極登用へ､船員育成から船舶管理まで､同国での一貫体制を構築｜物流ﾆｭｰｽ

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■日本郵船／ﾌｨﾘﾋﾟﾝ人船員を積極登用へ､船員育成から船舶管理まで､同国での一貫体制を構築

当社､ﾌｨﾘﾋﾟﾝ人船員を積極登用へ―船員育成から船舶管理まで､同国での一貫体制を構築―
2011年9月22日

写真左から（地鎮祭の様子）：TDG ﾗｼｯﾄﾞ A.ﾃﾞﾙｶﾞﾄﾞ社長､当社常務　赤峯浩一､ﾊﾟﾄﾘｼｱ･A･ｻﾝﾄ･ﾄﾏｽ　NTMA理事長､ﾛｻﾘﾝﾀﾞ･ﾊﾞﾙﾄﾞｽ　ﾌｨﾘﾋﾟﾝ労働雇用省長官､TDG　ﾛﾍﾞﾙﾄC.ﾃﾞﾙｶﾞﾄﾞ会長､当社社長　工藤泰三

　当社がﾌｨﾘﾋﾟﾝにおけるﾋﾞｼﾞﾈｽﾊﾟｰﾄﾅｰのﾄﾗﾝｽﾅｼｮﾅﾙ･ﾀﾞｲﾊﾞｰｼﾌｧｲﾄﾞ･ｸﾞﾙｰﾌﾟ（以下TDG）*1と共同運営する商船大学（NYK-TDG MARITIME ACADEMY､以下NTMA）のｷｬﾝﾊﾟｽで9月16日､同大学の施設拡張や隣接地に新築する船員研修施設の地鎮祭が行われ､当社社長の工藤泰三､TDGのﾃﾞﾙｶﾞﾄﾞ会長が建築の安全を祈願しました｡いずれも2013年完工の予定で､これにより当社はこれまで注力してきたﾌｨﾘﾋﾟﾝ人の幹部船員の育成を､更に拡大･発展させていきます｡
当社は､2007年に他社に先駆けてTDGと共同でﾌｨﾘﾋﾟﾝにNTMAを設立し､良質の船員の確保･育成に注力してきました｡今年3月31日に発表した当社の新中期経営計画｢More Than Shipping 2013｣においても､NTMAを中心に､安全運航のｺｱとなる優秀な船員を育成し､その技術力をもって当社ｻｰﾋﾞｽの差別化を図る戦略を打ち出しています｡

NTMA内施設（大講堂）

　今年は､4年間のｶﾘｷｭﾗﾑを終えたNTMAの第一期生が卒業を迎える記念すべき年であり､これを契機に､ﾌｨﾘﾋﾟﾝ人船員をNYKの幹部船員の核に据えるべく､ﾊｲﾘｽｸ船（大型ｺﾝﾃﾅ船､VLCC､LNG船など）を含む各種船種において､ﾌｨﾘﾋﾟﾝ人船員の上級職員への積極的､戦略的登用を加速していきます｡
また､当社は独自の技術力を発揮するため､運航船に占める当社ｸﾞﾙｰﾌﾟ内での船舶管理､船員配乗の比率を高める方針で､当社ﾌｨﾘﾋﾟﾝ人船員の｢質｣と｢量｣の一層のﾚﾍﾞﾙｱｯﾌﾟに向け､現地で以下の4つの分野について拡充･強化を図ります｡

＜船員育成（NTMA）＞
l         将来的な受け入れ学生の増員（年間120人から180人へ）に備えた施設の拡張
l         育成ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑや講師陣の充実
l         研修機器の新規導入
l         練習船の充実

＜船員配乗＞
l         現配乗会社ｵﾌｨｽの拡張とﾘﾌｫｰﾑ
l         船員管理やﾘｸﾙｰﾄの強化のため配乗ｽﾀｯﾌを充実

＜船員研修＞
l         現研修施設の引越し（※）､拡張
l         研修内容の高度化を目的とした講師陣の充実
l         研修内容の高度化を目的とした研修機器の新規導入

※現在のﾏﾆﾗ市内から郊外のｶﾝﾙｰﾊﾞﾝ市内にあるNTMAの隣へ移設する予定｡これにより､既に海技資格を有する船員の研修内容と､船員育成における教育内容の一貫性､相関性が一段と高まることを期待しております｡

＜船舶管理＞
l         ｴﾇﾜｲｹｲ･ｼｯﾌﾟﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ社（ｼﾝｶﾞﾎﾟｰﾙ､NYK Shipmanagement Pte Ltd）*2のﾌｨﾘﾋﾟﾝ支店を設立
【ｴﾇﾜｲｹｲ･ｼｯﾌﾟﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ社　ﾌｨﾘﾋﾟﾝ支店の概要】
時期：    　2011年度下期を目標とする
                         　（2013年度にはTDGとの合弁事業化を目指す）
           規模：　　当初の管理船規模は約10隻
                         　（2013年度には扱い隻数50隻､将来的には100隻まで拡大を目指す）
           対象船：              　ﾄﾞﾗｲﾊﾞﾙｶｰ
                         　（将来的にはｺﾝﾃﾅ船､自動車船､ﾀﾝｶｰの可能性も検討）

※船員の｢育成｣､｢配乗｣､｢研修｣から船舶の｢管理｣までを､ﾌｨﾘﾋﾟﾝ国内で一貫して行うことにより､それぞれの担い手相互の円滑なｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ､機動的なﾌｨｰﾄﾞﾊﾞｯｸを促し､本船の安全運航をより確実なものとする体制を構築していきます｡

※ﾌｨﾘﾋﾟﾝにおける船舶管理業務を開始することにより､｢Superintendent（船舶管理の監督）｣という新たな陸上のﾎﾟｽﾄがﾌｨﾘﾋﾟﾝに創設され､管理船の増加に伴って､将来的には数十人の職域が生まれますが､これはﾌｨﾘﾋﾟﾝ人船員にとって､当社ｸﾞﾙｰﾌﾟ内で海技者としてのあらゆるｷｬﾘｱを積むことができる環境が整うことを意味します｡

*1ﾄﾗﾝｽﾅｼｮﾅﾙ･ﾀﾞｲﾊﾞｰｼﾌｧｲﾄﾞ･ｸﾞﾙｰﾌﾟ
1976年に現会長のﾃﾞﾙｶﾞﾄﾞ氏により設立された企業ｸﾞﾙｰﾌﾟで､船舶の代理店業と船員供給･教育事業に加えて､航空事業や物流事業を行う｡当社とは､設立時の1976年から協力関係にある｡

*2ｴﾇﾜｲｹｲ･ｼｯﾌﾟﾏﾈｼﾞﾒﾝﾄ社
在ｼﾝｶﾞﾎﾟｰﾙの当社100％子会社｡当社ｸﾞﾙｰﾌﾟ運航船の船舶管理､船員配乗を行う｡管理船の規模は約130隻で､当社ｸﾞﾙｰﾌﾟの船舶管理体制の核となる会社｡

以上