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■富士経済/2010年市場 小売パン 1兆7,969億円、流通パン 1兆4,045億円、ベーカリーパン 3,924億円(量販店・コンビニ・ベーカリーショップ調査)





量販店、コンビニ、ベーカリーショップなどのパン市場を調査
−2010年市場 小売パン 1兆7,969億円、流通パン 1兆4,045億円、ベーカリーパン 3,924億円−






総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 阿部界 代表取締役)は、原料小麦価格の変動による値上げ・値下げ、不況の影響を受けている流通パン、ベーカリーショップ、外食チェーンなどのパン市場の動向を調査分析した。その結果を報告書「パン市場のチャネル別需要分析調査 2010」にまとめた。この調査では、小売業態別の市場規模推移、商品・メニュー分析、チャネル別企業シェアや主要企業の動向について分析した。また、小売チャネルを取り巻くパン市場としてコーヒーショップなど外食業態の動向なども捉え、パン市場を多角的に分析した。
◆調査結果の概要
小売パン市場(小売販売ベース)






2009年

2010年見込

前年比

流通パン

1兆4,033億円

1兆4,045億円

100.1%

ベーカリーパン

4,180億円

3,924億円

93.9%


小売パン合計

1兆8,213億円

1兆7,969億円

98.7%
※流通パン:量販店、CVSで販売されるパン※ベーカリーパン:ベーカリーショップ、量販店・CVS内のベーカリーショップで販売されるパン
2008年の流通パン市場は、量販店チャネルでは、原料小麦の価格高騰を受けパンメーカーが価格改定を実施したため金額ベースで増加し、CVSチャネルでは同年3月から順次導入されたタスポ導入によるタバコ購入目的の来店客数増加の恩恵を受け増加した。2009年の流通パン市場は量販店が店舗数の減少と、既存店の売上不振から前年を下回ったことに加えて、CVSが前年のタスポ効果の反動によって既存店の販売額が大幅に減少したことから前年割れとなった。2010年は量販店、CVSともに前半は好調だったものの、猛暑の影響で夏場の需要が減少した。しかし、CVSでは新規出店による実績拡大とタスポ効果の反動が一巡したことで前年を上回るとみられ、トータルでは前年並が見込まれる。
ベーカリーパン市場では、チェーンベーカリーが2009年は景気後退による節約志向の強まり、新型インフルエンザ流行の影響による買い控えなどにより縮小した。2010年は猛暑による消費意欲の減退などより単価の高いベーカリーショップほど影響を受け大きく減少するとみられる。量販店では"焼きたて"という付加価値を持つインストアベーカリーを消費者の選択肢を増やす上で重要な業態と考えている。量販店のインストアベーカリーでは、低価格流通パンへのシフトを食い止めるため100円均一フェアなどにより顧客を取り込んでおり、特にあんぱん、メロンパンなどの菓子パンと、カレーパン等の定番商品は安定している、ただし、食パンは流通パンへ需要が流れ苦戦している。節約志向の中でより安い流通パンへとシフトしていると考えられる。個店ベーカリーもチェーンベーカリー同様厳しい状況に変わりはないが、手頃な価格・魅力ある商品など個々の対応により、店舗間に差が出てきている。CVSインストアベーカリーは、本格的焼きたてパンで女性客をとりこむココストアと男性客に向けて食べごたえとシズル感を訴求するデイリーヤマザキが中心である。ターゲットを明確にすることで、売り上げ増に結びつけている。
少子高齢化により消費者の絶対数が減少している中で市場規模を拡大させるには新規需要の獲得が鍵となる。若い女性層やシニア層への適確なアプローチが市場活性化の鍵であり、チャネルによって需要層は異なるものの、量販店はファミリー層以外に単身者や高齢者、CVSは女性客やシニア層、ベーカリーショップは男性、外食需要といった現在のターゲット以外の層の取り込みが必要である。
(1)量販店パン(流通パン)市場

2009年 6,987億円  2010年見込 6,942億円(前年比99.4%)
量販店におけるパンは、日配食品の中で販売ボリュームの大きい商品であり、流通各社が注力するカテゴリーである。パンは特売や値下げ対策により、消費者の目を引きやすい事もあり、チェーンによっては生肉や鮮魚売場であっても通路にパン特売コーナーを設け、「100円均一」、「1割引」等のポップと共に大量販売をしているケースがみられる。
また、催事展開しやすいカテゴリーでもあり、菓子パンは季節に合わせてチョコレートやイチゴ等、フェアの目玉商品にもなるため、島陳列やスープなどとクロスマーチャンダイジングすることで消費者への露出を高めている。食パンやテーブルパンはシールを集めて応募すれば無料で景品がもらえるキャンペーンを積極的に展開しており、ワンシーズンで100万通を超える応募があるケースもあり、メーカーにとっては重要な販促施策となっている。流通も食パンをピラミッド型に陳列するなど売上増加に向け工夫をこらした販売を行っている。
流通側では、メインの取り扱いは大手パンメーカーの商品であるが、高価格帯商品のシリーズ陳列や、地場メーカー、個人パン店の商品を取り扱うことで、消費者を飽きさせない工夫もしている。特に地場メーカー、個人パン店の商品で大手企業には無い手作り感を持った商品は人気であり、袋詰めセールを行うと、通常の2倍以上の売上を上げるケースもあり、話題性と言う面でも集客アップに繋がっている。"いつ来店しても同じ商品"ではなく、新鮮さを持った売場は消費者を呼び込みやすいと考えられる。
(2)CVSパン(流通パン)市場

2009年 7,046億円  2010年見込 7,103億円(前年比100.8%)
2009年は約300店の新規出店があったものの、前年のタスポ効果の反動で既存店売上が大きく減少し、トータル販売金額は前年を下回ったが、食パン、ロールパン、蒸しぱん、フィリングタイプ(甘味系のつめものを含有)パン、ベーカリースイーツは前年を上回った。
食パン、ロールパンは買い忘れ需要や翌日の朝食用に購入するケースが多く、タバコのついで買いがほとんどなかったことから新規出店分がプラスされた形になっている。また、セブンイレブンのPB「セブンプレミアムおいしい食パン」、「同おいしいロールパン」は量販店と同等または下回る価格で、量販店の需要を取り込んだ。蒸しパンは安価であることに加えて、女性客と老人客が主要購買層でタスポ効果の反動は軽微だったことから増加し、フィリングタイプは各チェーンが特に注力しており、クリームたっぷり、もちもちなどのボリューム感と食感が支持され増加した。同じく、ベーカリースイーツは食べごたえのある菓子パンで小腹を満たしたい消費者や、値ごろ感から男性客の購入頻度が高くなり増加した。
2010年はタスポ効果の反動が一巡し、その他テーブルパンを除く全てのカテゴリーで前年を上回るとみられる。その他テーブルパンはライ麦パン、フランスパンなどであるが、ヒット商品が少なく高単価なことから前年をわずかに下回る見込である。
(3)外食店(ベーカリーカフェ、コーヒーショップ)のパン売上動向

2010年のパンメニュー売上は前年比0.9%減の681億円の見込
ベーカリーカフェはもちろん、コーヒーショップにおいてもパンメニューへの注力が高まり売上は拡大していたが、2009年以降の景気低迷により客数、客単価ともに減少し、特にパンメニューの注文が減少した。2010年は夏場の猛暑により客数が増加し、ドリンク類の売上は増加したが、暑すぎたことがパンメニューの注文減に繋がった。また、ファストフード店でのコーヒー強化、リーズナブルな定食メニューを提供する業態の増加など他の外食市場との競争が激化し、コーヒーショップではモーニング、ランチ、通常メニューでもセットメニュー化により対抗するようになっている。
◆注目製品市場
(1)焼成済み・半焼成済み冷凍パン市場(メーカー出荷ベース)

2009年 150億円  2010年見込 153億円(前年比102.0%)
成型・発酵・焼成済みの冷凍パンを解凍するだけで提供できる状態のパン(焼成済みパン)、僅かな時間オーブンで過熱するだけで提供できる半焼成済みの冷凍パン、およびベーグル、ドーナツを対象とする。
焼成済み・半焼成済み冷凍パンは、フランスやドイツなどのヨーロッパ諸国でパン職人の労働時間の短縮を目的として発達してきた。日本では、厨房にホイロ(発酵機)を置くスペースが無く、パン専門職人を雇用できないようなカフェチェーンやレストラン、ホテルなどを中心に需要を開拓し、市場が拡大した。冷凍パン生地と比較すると価格が高いものの、必要な機器が少なく、特別な技術を必要とせず、誰でもほぼ同じ品質に仕上がり、さらに冷凍生地と比較すると賞味期限が長く、ロスがほとんど出ないことから、時間短縮や人件費抑制といったメリットが多いとして需要が増加している。
焼成済み冷凍パンは、完全焼成後に急速冷凍をかけ冷凍保存したもので、解凍すればすぐに食べられることから、オーブンなどの機器が必要なく(解凍後にトースターやオーブンで軽く焼いて風味を出す場合もある)、誰でも同じ仕上がりで商品を提供できることが最大の特徴である。しかし、完全焼成してあるため好みの焼き加減にできないこと、クロワッサンやデニッシュなどのパイ系は輸送中などに壊れ易く不向きなことなどのデメリットもある。
半焼成済み冷凍パンは、完全焼成手前の7〜9割方焼いたパンを冷凍・保管したもので、提供する時は10分前後オーブンで焼くだけで、誰でも簡単に焼きたてを提供できるタイプの商品である。特別な技術を必要としないことや、好みの焼き加減で提供できることなどから一定の需要を確保しているものの、市場は微減となっている。
焼成済み・半焼成済み冷凍パンの主なユーザーは、カフェチェーンやホテルなどであり、チェーン系企業の店舗数の伸びや、冷凍パン生地や日配品からのシフトにより市場が拡大してきた。しかし、カフェチェーンの店舗数や宿泊施設、外食市場自体の伸びが鈍化していることから、この市場も微増となっており、2010年も前年並みの見込みである。
◆調査対象








対象チャネル
小売パン
量販店、CVS、チェーンベーカリー、量販店インストアベーカリー、CVSインストアベーカリー、個店ベーカリー

外食店パン
ベーカリーカフェ、コーヒーショップ

対象品目
食パン、テーブルパン(ロールパン、クロワッサン、フランスパン、イングリッシュマフィン)、惣菜パン(カレーパン、ハム・ソーセージ入り、フライ入り)、菓子パン(パイ・デニッシュ、蒸しパン、フィリングタイプ、メロンパン、ベーカリースイーツ)、チルドパンチルドパン(サンドイッチ、オープンサンドなど)
 
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