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■DHL/アクセンチュア、ブロックチェーン技術を物流分野に応用


DHLとアクセンチュア、ブロックチェーン技術を物流分野に応用

2018年3月27日(3月12日ドイツ・ボン発)




トレンドレポートでは、ブロックチェーンがサプライチェーンの透明性およびトレーサビリティを向上させ、取引プロセスを自動化できる可能性を指摘
ブロックチェーン関連支出は2017年から2021年の間に10倍以上に増加する見込み
実証実験では、医薬品が製造されてから患者に届くまでの一連の流れを追跡できることが実証され、偽造防止につながる可能性を示唆

DHLは、グローバル・テクノロジー・コンサルティング企業であるアクセンチュアの協力の下、ブロックチェーン技術に関するトレンドレポートを発表し、当該技術が物流業界を変革する可能性を明らかにしました。グローバルサプライチェーンは、多種多様な利害関係者や多くの仲介業者が絡むためにその複雑さが常に課題となりますが、これはまさにブロックチェーン技術が力を発揮できる種類の問題だと言えます。DHLとアクセンチュアは、医薬品を製造工場から消費者の手元に届くまで追跡することで、改ざんやミスを防止するプロトタイプを共同開発しており、本レポートではこのプロトタイプの実証実験の初期段階で得られた結果や考察についても取り上げています。DHLカスタマーソリューションズ&イノベーションのシニア・バイス・プレジデントであるマティアス ヒュートガーは、「金融分野におけるブロックチェーンの試験的活用はよく知られていますが、私たちは物流こそがブロックチェーンが真の影響をもたらせる分野だと考えています。ただし、有効なソリューションを実現するためには、さらなる技術開発と利害関係者の協力が必要不可欠です」と述べています。ブロックチェーンは、データや取引内容を維持・記録・認証する新たなタイプのデータベースです。サプライチェーンにおいては、製品に一意の識別子を割り当てることにより、製品が最終顧客の手に渡るまでの全履歴を追跡することが可能になります。その情報は関係者がリアルタイムで検証し、記録を改ざん・変更・消去しようとする動きがあれば、全員がそれを知ることになります。医薬品の認証により患者の命を救うDHLサプライチェーンのCIOチーフ・ディベロップメント・オフィサーであるキース ターナーは、「ブロックチェーンは、特に医薬品の分野において大きな可能性を秘めていると考えています。そのため、今回のアクセンチュア社との実証実験はライフサイエンス&ヘルスケア業界に対象を絞って実施しました。データの改ざんが事実上不可能であるというブロックチェーン技術の特徴を生かすことで、医薬品の改ざんを突き止め、偽造のリスクを低減し、実際に人命を救うことに大きく近づくことができます」と語っています。インターポール(国際刑事警察機構)の推計によると、偽造医薬品によって毎年100万人もの命が奪われています。また、新興市場で販売されている医薬品の最大30%が偽造品であると推定されています。DHLとアクセンチュアは、ブロックチェーンを活用したシリアルナンバー管理のプロトタイプとして、6つの地域のノードを使い、サプライチェーン全体にわたって医薬品を追跡する仕組みを構築しました。医薬品を追跡する台帳は、製薬会社、倉庫業者、仲介・販売業者、薬局や病院・医師などの関係者の間で共有することができます。シミュレーションでは、ブロックチェーンが70億以上のシリアルナンバーと一秒あたり1,500件のトランザクションを処理できることが確認されました。
アクセンチュアで旅行・輸送業界を担当し、DHL担当チームのリーダーでもあるアンドレアス バイアー氏は、「今回、アクセンチュアはDHLと密に連携を取り、ブロックチェーンが将来のサプライチェーンに与える幅広い影響を把握し文書化することに努めました。消去不可能かつ安全性の高い共有型の台帳を用いることで、医薬品が製造工場から患者に届くまでの安全性を大幅に引き上げることができ、しかも現在よりもはるかに低コストを実現することが可能になります。これはほんの一例で、ブロックチェーンは他にも様々な分野で業務プロセスの改革やコスト削減、複雑性の低減を同時に実現できる可能性を持っています」と述べています。ブロックチェーン技術をサプライチェーンに応用するブロックチェーン技術は、あらゆる業界においてサプライチェーンの効率および信頼性を大幅に高めることが期待されています。インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)によると、世界におけるブロックチェーン・ソリューションへの支出額は2018年に21億ドルに達し、2017年の9億4,500万ドルから2倍以上に増加すると予測されています。さらに2021年には97億ドルに達する見込みです。?[1]DHLとアクセンチュアの医薬品用プロタイプは、トレンドレポートで紹介されているブロックチェーンの活用事例の一つです。その他の活用例としては、資産管理、透明性およびトレーサビリティの向上、第三者の介在なく契約の履行を支援・検証する「スマート契約」による取引プロセスの自動化などがあります。ブロックチェーンは物流の分野において非常に大きな可能性を持っています。しかし、ソリューションの構想・試験的導入の段階から実用化へと進めるためには、さらなる技術開発、組織変革、そして全関係者間の積極的な協調が必要です。ブロックチェーン活用の成否は、全関係者が協力して従来のプロセスを変革し、物流価値を創出する新たな方法を共同で採用できるか否かにかかっています。



トレンドレポート「物流におけるブロックチェーン(Blockchain in Logistics)」は、http://www.logistics.dhl/blockchain(英語版のみ)より無料でダウンロードいただけます。
 
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