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■戸田建設/「ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法」の検証実験を公開
「ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法」の検証実験を公開−高い制震性能とローコスト化を実現−
2015年5月8日
戸田建設(株)(社長:今井 雅則)は、昨年開発した「ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法」の性能検証実験を行いました。
近年、生産・物流施設では、「先進的な生産・物流施設」を実現するため作業効率の高い立体自動倉庫を構成する提案が増えています。しかし他方で、大地震後の事業継続性(BCP)を高めるためには効果の高い荷崩れ防止策が必要となり、その分コストが掛かるという課題があります。そのため、戸田建設は、揺れを低減する高い制震性能を有しかつローコストな「ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法」を開発しました。 今回の検証実験では、実機を模擬した試験体を製作し、東北地方太平洋沖地震(2011年)の観測地震動を用いた加振実験を行い、揺れの低減効果を検証しました。
制震工法の概要
立体自動倉庫に地震が作用した場合、ラックは間口方向に大きく揺れ、頂部には大きな変形が生じます。今回開発した制震工法は、ラックの基部と頂部の間を制震装置を介したワイヤーロープで結ぶことで、ラック頂部に生じる変形を制震装置に伝達し、効率的なエネルギー吸収を図るものです(図1)。



図1 制震工法の概要



図2 制震と非制震での頂部応答加速度の比較※1





(1) ラック頂部の変形を利用して制震装置がエネルギー吸収を行うため、積荷の多寡に因らず制震効果が期待できます。
(2) 高い制震効果を有するため制震装置の設置基数を抑えられ、市販の制震装置を利用することでローコスト化が可能です。速度あるいは変形に依存して減衰力を発揮する制震装置であれば種類は問わず利用可能です。
(3) 制震装置はラック頂部のわずかなスペースにワイヤーロープを介して設置するため、パレットを占有することなく、倉庫の稼働率に対する影響は僅かです。また、省スペース性を生かし既存のラック倉庫にも適用可能です。




図3 制震工法イメージ


実験概要
実機を模擬した試験体を製作し、ワイヤーロープを利用した本制震工法の性能検証実験を行いました。 東北地方太平洋沖地震(2011年)で観測された地震動などを用いた加振実験を行い、頂部の変位や加速度を1/3〜1/2程度低減できることを確認しました。



写真1 実験風景(全景)



写真2 実験風景(制震装置)

写真3 実験風景(ワイヤーロープ)





実験結果(相対変位※2)



実験結果(絶対加速度※3)


図4 ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法 実験結果※1
今後の展開
今後、立体自動倉庫の導入を検討されているような物件について、高い制震性能とローコスト化を実現した本工法を積極的に提案していく考えです。さらに、本工法が適用された場合に最大限の効果が発揮できるように、振動解析やシミュレーションなどを行い、お客様のBCP強化やリスク管理にご協力してまいります。
※1 入力地震動: 防災科学技術研究所 強震観測網 東北地方太平洋沖地震(2011年3月) 久喜観測地震動
※2 相対変位: 地震の揺れによる建物の変位量
※3 絶対加速度:建物の応答加速度と地盤の加速度が加わった加速度
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