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■富士通研究所/金属や人体など様々な素材へ装着可能な小型薄型のRFIDタグを開発 |
金属や人体など様々な素材へ装着可能な小型薄型のRFIDタグを開発 株式会社富士通研究所(注1)は、IDカードやウェアラブル機器、金属部品など電波の制限を受けていた素材に装着して利用可能な小型薄型のRFIDタグを開発しました。 これまで、電波を飛ばしにくくする性質を持つ金属や身に着けるIDカードにRFIDタグを実装し、例えば2メートル(m)の通信距離を確保する場合、電波の波長の制約から75ミリメートル(mm)以上の長さにするか、5mm程度の厚さが必要で、小型と薄型の両立が困難でした。 今回、RFIDタグを薄い樹脂に巻きつけてループ状にする新たな構造で電波を放射する技術を開発し、様々な対象に取り付け可能で、長さ30mm、厚さ0.5mmの世界最小の薄型RFIDタグを実現しました。 本技術により、機械部品の管理や、身に着けたIDカードによる入退室管理など、様々な場面におけるRFIDの利用が可能となります。 開発の背景 近年、様々な部品や商品にタグを取り付けて、電波で個別情報を読み取ることにより、部品管理や商品の棚卸業務の効率化を行うRFIDシステムが普及してきました。通信可能な距離は電波の種類によって異なりますが、テレビや携帯電話と比較的周波数の近いUHF帯の電波を用いた方式は、通信距離が数mと長く、RFIDシステムで広く用いられています。 課題 RFIDタグは、取り付け物体の種類を選ばず、かつ、取り付け場所の対象を広げられるように小型薄型であることが求められています。しかし、金属や人体は電波を飛ばしにくくする性質があるため、RFIDタグを取り付ける対象が金属や身に着けるIDカードなどの場合、直接取り付けるとうまく電波が飛ばず通信できないという課題がありました。そこで、従来は、RFIDタグと、取り付け対象との間に空間を確保するための部材(スペーサー)を入れ一定の厚さを確保して、金属や人体の影響を低減させることにより、数mといった通信距離を実現していました。 例えば、スペーサーの厚さを1mmとして通信距離を2m以上にするためには、電波の波長の制約からRFIDタグの長さを75mm(電波の波長である約300mmの4分の1)以上にする必要がありました。 図1 従来のRFIDタグ 一方、同じ通信距離でRFIDタグの長さをその半分の33mm(波長の8分の1)と小型にすることも可能ですが、その場合スペーサーの厚さを5mm以上にする必要がありました。つまり、従来のRFIDタグはタグの長さと、スペーサーの厚さとの間にトレードオフの関係があり、また、電波の波長に依存するという制約があるため、小型と薄型の両立が困難でした。 開発した技術 今回、RFIDタグをゴムやプラスチックなどの薄い樹脂に巻き付けて、両端を重ねたループ状にする新たな構造で電波を放射する技術を開発し、波長の制約をなくすことに成功にしました。 開発したタグを金属に直接取り付けた場合、ループ形状に沿った形で大きな電流(ループ電流)が流れるようになり、その電流の一部が取り付けた金属側に漏れるようになります。ループ電流から発生する本来の電波と、貼り付けた金属に漏れた電流から発生する新たな電波の2つが合成され、金属の上方に放射されます。また、目標とするタグの大きさに応じて、RFIDタグ両端の重なる部分の長さと厚み を適度に調整することで、漏れた電流の度合い(合成された電波のバランス)を最適化することができ、通信距離を最大化させることができます。つまり、貼り付けた金属をアンテナの一部として機能させることで、数mといった距離の通信が可能となります。 一方、金属ではないプラスチック製のIDカードや段ボールなどに取り付ける際は、ループ電流から発生する電波のみで動作し、RFIDタグの周囲には、電波の放射を妨げる金属物体が無いので、電波がループ状に効率良く広がるため、金属と同様の通信が可能となります。 また、人体には水分が多く含まれており、電気を帯びやすい構造であるので、金属と同様に扱うことができます。タグを内蔵したIDカードを身に着けた時は、金属に貼り付け時と同じ動作をすることで、人体に貼り付けた影響を軽減することができます。 図2 今回開発したループ状の構造 効果 本技術により、電波の制約をなくすことで取り付ける素材を選ばずどこにでも装着可能な、長さ30mm, 厚さ0.5mmの世界最小の薄型RFIDタグを実現することができます。 これにより、装着可能な対象が広がり、例えば、機械部品の管理や、身に着けたIDカードによる入退室管理など、様々な場面におけるRFIDの利用が可能となります。 今後 富士通研究所は本技術に関して、さらに量産が容易となる方式の開発を進め、2015年度の実用化を目指します。 商標について 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。 以上 注釈 注1 株式会社富士通研究所: 代表取締役社長 佐相秀幸、本社 神奈川県川崎市。 |
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