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■富士経済/冷凍・チルド調理済食品、アルコール飲料など65品目の市場を分析









冷凍・チルド調理済食品、アルコール飲料など65品目の市場を分析
−2011年の加工食品市場調査(2)−






総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 阿部界 代表取締役)は、2011年8月から29カテゴリー400品目の加工食品の国内市場について、6回に分けて調査を行っている。その第2回目の調査結果を報告書「2012年 食品マーケティング便覧 No.2」にまとめた。
この報告書では、冷凍調理済食品12品目、チルド調理済食品6品目、その他調理済食品6品目、フライ類11品目、アルコール飲料30品目の5カテゴリー65品目の国内市場動向を収載した。なお、残り19カテゴリー277品目の調査結果については、今後順次報告する。
◆調査結果の概要






2010年

前年比

2011年見込

前年比

冷凍調理済食品

2,463億円

100.9%

2,478億円

100.6%

チルド調理済食品

1,348億円

100.2%

1,366億円

101.3%

その他調理済食品

1,158億円

100.3%

1,137億円

98.2%

フライ類

2,265億円

101.6%

2,204億円

97.3%

アルコール飲料

3兆7,970億円

100.0%

3兆7,357億円

98.4%
1. 冷凍調理済食品
2010年の末頃にテレビ番組などで冷凍シューマイや冷凍お好み焼きなどが取り上げられたことから、市販用の冷凍調理済食品への注目度と需要が高まっていた。2011年は東日本大震災による工場被災で小売店の店頭では商品不足となり、前年割れが見込まれる品目もあるが、前年からの需要を引き継ぐかたちで好調に推移している。この他にも、震災直後に外食店でのメニュー絞り込みなどにより定番メニューのハンバーグが需要を伸ばしたことや、小売店の店頭で欠品を起こさなかった冷凍ギョーザなどが市場拡大に貢献したことで、全体としても前年実績を上回る見込みである。
2. チルド調理済食品
温度帯の異なる調理済食品として、冷凍調理済食品とは競合関係にある。しかし、冷凍保存の方が利便性や保存性が高いため需要を奪われており、市場は頭打ちの状況にある。2011年は震災直後に小売店の店頭で、冷凍調理済食品などの商品不足により、チルド調理済食品への購入意欲が高まり、市場が拡大すると見込まれる。
3. フライ類
大手メーカーの工場が被災し、生産停止に追い込まれたことから全体の生産量も減少している。また業務用を中心としているため、外食産業の落ち込みの影響も受けており、市場の縮小が見込まれる。
4. アルコール飲料
缶メーカーの工場の被災により、缶の調達が難しくなり、ビール類や低アルコール飲料などが影響を受けた。特に市場規模の大きいビール類では、大手メーカーは生産品目を主力商品に絞り込むなどの対応を行った。復興支援の一環として東北産清酒の需要が高まっているが、大手清酒メーカーは西日本に集中しており、市場への貢献に至っていない。
◆注目市場
1. 冷凍ギョーザ 【震災直後も安定供給、欠品商品の代替としても配荷】






2010年

前年比

2011年見込

前年比

冷凍ギョーザ

258億円

106.2%

276億円

107.0%
2008年の中国天洋食品事件により市場は大きく縮小したものの、味の素冷凍食品を筆頭に各社が安全品質の訴求に注力し、2009年には事件前の水準に回復した。その後も参入メーカーの積極的なTVCM投下などにより、市場は順調に拡大した。 2011年は、震災による工場被災に見舞われることもなく、安定した商品供給が行われた。また、その他の調理済冷凍食品で欠品が起き、その代替商品としても配荷が進み需要が拡大した。
2. 自然解凍冷凍食品 【節電・エコ調理を訴求し、注目度・認知度アップ】






2010年

前年比

2011年見込

前年比

自然解凍冷凍食品

311億円

100.6%

336億円

108.0%
自然解凍で食べられる市販用の冷凍調理済食品を指し、枝豆などの冷凍野菜やホットケーキなどの冷凍スナック類は対象外とする。 冷凍状態で弁当箱に詰めても、昼までに解凍されて食べ頃になる弁当商材が中心で、調理と解凍の手間を必要としない簡便性を訴求している。景気悪化や「弁当男子」が注目されるなど、弁当商材への追い風もあり市場が拡大している。 2011年の震災後は、簡便さだけでなく、"節電"や"エコ調理" など節電対応商品として訴求しており、市場の拡大が見込まれる。また、展開するメニューもきんぴらやひじきなどの和惣菜だけでなく、サラダや中華総菜メニューなどバリエーションが豊富になってきており、手軽な弁当惣菜として注目度と認知度が向上している。
3. 国産新ジャンルビール風味アルコール飲料 【震災後の缶調達難にも、主力商品として生産継続】






2010年

前年比

2011年見込

前年比

国産新ジャンルビール風味アルコール飲料

4,929億円

112.8%

5,127億円

104.0%
酒税法上「リキュール(発泡性)@」「その他の醸造酒(発泡性)@」に分類されるビール風味のアルコール飲料を指す。2003年の酒税法改正による国産発泡酒の値上げをきっかけに、更に税率の低いビール類の開発が行われた。発泡酒よりも低価格であることから、発泡酒やビールの需要を奪い市場は急拡大している。 2011年は、震災により缶の調達が難しくなったが、参入メーカー各社は主力商品の一つとして生産を継続させた。ビール類の中で最も低価格であり、唯一市場の拡大が見込まれる品目であることから、積極的な販促が行われており、今後も市場の拡大が見込まれる。しかし、2009年以降韓国から輸入されている更に低価格な流通系PB (輸入品のため当市場対象外)への需要シフトがみられ、伸びは鈍化していくと見られる。
4. ビアテイスト飲料 【各社基幹ブランド揃い踏み、今後は需要が一巡し競争激化も】






2010年

前年比

2011年見込

前年比

ビアテイスト飲料

387億円

195.0%

510億円

131.8%
酒税法上酒として扱われない、アルコール度数1%未満のビール風味の発泡飲料を指す。2008年までは、アルコール度数1%未満の商品のみで0%の商品がなかったため、需要を捉えきれず市場は低迷していた。2009年にキリンビールがアルコール分0.00%の「キリンフリー」を発売したことで、運転前やアルコール耐性の低い消費者の需要を掴み、市場は急拡大を遂げた。 2011年までに各社の基幹ブランドが出揃っており、2012年以降は既存ブランドの育成に注力すると見られ、市場拡大は緩やかになると予測される。酒税がかからないビアテイスト飲料は利益率の高い商材であるが、需要も一巡しつつあり、市場の飽和や低価格PBの登場などにより、企業間の競争が激しくなることが予測される。
5. マッコリ 【国産メーカーの参入相次ぐ、今後は差別化商品の展開がカギ】






2010年

前年比

2011年見込

前年比

マッコリ

55億円

250.0%

101億円

183.6%
かつては韓国料理店などでしか提供されていなかったが、2004年頃から広がりを見せている韓流ブームなどによって韓国食文化への関心が高まり、マッコリの認知度が向上していた。その中で2010年に韓国焼酎メーカーの眞露ジャパンが同市場に参入し、TVCMをはじめとするメディア露出の強化が図られたことにより、注目度が一気に高まり、市場が急拡大した。2011年は、サントリー酒類「ソウルマッコリ」のヒットにより更なる市場拡大が見込まれる。 市場拡大を牽引する市販用ではノンフレーバータイプが主流であり、パッケージやチャネルの開拓が既に進んでいる。そのため、フレーバー展開や生タイプの展開など既存商品との差別化が見られつつあり、これらの商品の浸透が今後の市場動向を左右する鍵になると見られる。
◆調査対象








冷凍調理済食品
冷凍ハンバーグ、冷凍肉だんご・ミートボール、冷凍グラタン類、冷凍ギョーザ、 冷凍シューマイ、冷凍天ぷら、冷凍お好み焼き、冷凍たこ焼き、その他冷凍スナック、冷凍ホットケーキ、自然解凍冷凍食品、冷凍和惣菜

チルド調理済食品
チルドハンバーグ、チルドミートボール、チルドグラタン類、チルドギョーザ、 チルドシューマイ、チルド茶わんむし

その他調理済食品
春巻、ワンタン、卵焼き類、卵豆腐類、うなぎの蒲焼、アメリカンドッグ

フライ類
冷凍コロッケ、冷凍カツ、畜肉系カツ、水産系カツ、冷凍水産フライ、冷凍えびフライ、冷凍いかフライ、冷凍かきフライ、冷凍白身魚・その他水産フライ、冷凍あじフライ、チルド水産フライ

アルコール飲料
清酒、生酒、合成酒、焼酎甲類、焼酎乙類、甲乙混和焼酎、韓国焼酎、低アルコール飲料、チューハイ、カクテルドリンク類、ウイスキー、ブランデー、水割り洋酒・ハイボール、ビール類、国産ビール、プレミアムビール、国産発泡酒、国産新ジャンルビール風味アルコール飲料、輸入ビール類、機能型ビール類、地ビール、ビアテイスト飲料、 スピリッツ、国産ワイン、輸入ワイン、酸化防止剤無添加ワイン、スパークリングワイン、梅酒、リキュール類、マッコリ
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2011/11/18
 
 
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