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■国土交通省/第34回 アジア太平洋経済協力(APEC)交通ワーキング・グループ港湾・海事専門家会合の結果報告 |
第34回 アジア太平洋経済協力(APEC)交通ワーキング・グループ港湾・海事専門家会合の結果報告 1.概 要APEC参加国・地域内の運輸交通の自由化、効率化を進め、安全で保安性の高い交通の実現を目的として開催。APEC交通ワーキング・グループの専門家会合の一つである港湾・海事専門家会合では、我が国、国土交通省港湾局国際・環境課の村岡猛国際企画室長が議長(副議長はカナダ)となり、港湾・海事に関る様々な国際的な課題に取り組んでいる。今回の会合では、東日本大震災に関して、地震の概要や被災状況、放射線の測定、コンテナ・船舶の証明書の発行等について報告した。また、「定期船に関するAPECガイドライン」について議論がなされ、承認された。また、海運分野の自由化取り組みを促進するための研修プロジェクト、2010年からAPEC全体として取り組んでいるサプライチェーンの接続性向上についても議論がなされた。さらに、海事保安専門家サブ会合では、ISPSコード導入促進プログラムを中心に議論がなされた。 2.日時・場所平成23年6月13日(月)〜15日(水) オーストラリア・ブリスベン 3.会 合(1)出席者(港湾・海事専門家会合)我が国からの出席者:港湾局 国際・環境課村岡国際企画室長、同課有本国際調整官、総務課危機管理室市村専門官海事局 外航課海運渉外室志賀課長補佐、同課羽村外航海運事業調整官18カ国・地域1より合計33名が参加 (2)出席者(海事保安専門家サブ会合)我が国からの出席者:港湾局 総務課危機管理室市村専門官12カ国・地域2、1オブザーバー等より合計24名が参加 (3)主な議論(港湾・海事専門家会合)1参加国・地域:オーストラリア、チリ、カナダ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、パプア・ニュー・ギニア、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、アメリカ、ベトナム2参加国・地域:オーストラリア、中国、香港、日本、韓国、ニュージーランド、パプア・ニュー・ギニア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、アメリカ、(東日本大震災に関するレポート)(日本・海事局・港湾局資料作成 港湾局総務課危機管理室専門官発表)・港湾における被災状況や復旧作業及び放射線の測定やコンテナ・船舶の証明書の発行等について参加国・地域に説明した。(ボゴール目標達成に向けた取り組みについて(事務局提案))・自由で開かれた貿易及び投資を、先進国は2010年まで、途上国は2020年までに実現するというAPECにおける目標(ボゴール目標)を達成するために、海運分野では2004年8月に9つの政策課題からなるAPEC海運共通原則を採択。政策課題毎にチャンピオン国(リード国)を募り、ボゴール目標達成に向けた取り組みを進めている。・事務局(日本)より、APEC海運共通原則に基づく3つの政策課題グループ1.「海運サービス」、2.「海運補助サービス」、3.「港湾サービス」中、チャンピオン国(リード国)の立候補の無いグループ2及び3に関し、「海運補助サービス」(「港湾施設へのアクセス」及び「海運に接続する陸上サービス」)については、実態調査をふまえた現状分析において、それぞれ1か国を除き、全てのメンバー国がAPEC海運共通原則に沿った制度を既に採用しているため、事務局より、当該国に対して共通原則に反する制度の解消に向けたタイムスケジュールの提示を要請することとした。・「港湾サービス」(港湾管理)については、日本提案の「APEC海運共通原則研修」プロジェクトの予算措置がなされた場合には、研修科目の一つとして取り組むこととされた。(「APEC海運共通原則」研修プロジェクト(日本・海事局提案))・APEC海運共通原則における9つの各政策課題に関し、包括的に、各国の自由化の取り組みの一層の促進を図るため、開発途上国の海事当局の政策立案者を対象とし、「海運の健全な発展」にかかる課題について、海運主要国のシンクタンク、大学等の有識者及び海事当局者を講師とした講義等による人材育成(キャパビル)をAPEC予算により行うプロジェクト。カナダ、フィリピン、タイ、ベトナムが共同提案国となっている。・2011年5月にAPEC予算管理委員会(BMC)の仮承認を既に得ているところ、今般、正式申請書の内容について合意され、BMCへ提出することが承認された。(「貨物留保措置・特定の貿易に適用される制限」プロジェクト(韓国提案))・APEC海運共通原則の各国自由化に向けた9つの政策目標のうち、政策目標4「貨物留保」及び政策目標5「特定の貿易に適用される制限」の二つの政策項目に関し、APEC各国の施策について調査・分析を行い改善措置について提案するプロジェクトの提案。・韓国から上記プロジェクトについて、プロジェクト・コンセプトノート(APEC予算要求資料)の提出があったが、提案内容を検討の上、調査手法及び予算の見直しを行い、次回会合において再提案することとされた。(定期船に関するAPECガイドライン(カナダ提案))・APEC海運共通原則における9の政策目標のうち、「定期船政策」の実施のため、外航定期船にかかる船社間協定(運賃協定を除く)について調査研究を行い、APEC域内で望ましいあり方についてのガイドラインを策定するプロジェクト(カナダ提案、中国、日本、ニュージーランド、フィリピンが共同提案国)。2007年5月より調査が開始され、2008年12月に調査は終了。・その後、カナダは、調査報告書で提案された5つのガイドライン案のAPEC交通ワークンググループでの採択を目指し、専門家会合で検討が行われ、2010年10月の前回会合ではワークショップを開催して議論の上、ガイドライン修正案を作成することとされた。・カナダより、ワークショップ開催以降、リード国としてメンバー国からの意見をとりまとめて作成された前文(Preamble)及び5つのガイドラインから構成される定期船非価格協定(Liner shipping non-ratemaking agreements) に関するガイドライン最終案の内容について説明が行われた。・本件ガイドラインの位置付けについては、「前文」において、「ガイドライン」との名称は維持しているものの、レコメンデッドプラクティス(推奨事例 Recommended practices)とし、非強制(Non-binding)かつ各国の自発的(Voluntarily)な取り組みにおける参考事例であることが明記されている。・ガイドライン案1〜5については、従来の案にあった「APEC各国間の情報交換」、「様式の統一」及び「価格協定と非価格協定の届出の分離」の規定が無くなり、我が国を含め、各メンバー国がより受け入れ可能な内容に変更されていた。・このため、各国とも特段の異論はなくガイドライン案は一括して了承(Endorse)され、代表者会合での了承を経て、交通WG全体会合で採択及び第7回大臣会合宣言案に成果として盛り込むことが了承された。採択ガイドラインについては別紙のとおり。(海上コンテナ輸送の可視化向上について(日本・港湾局提案))・2009年にシンガポールがAPEC域内におけるサプライチェーンの接続性改善に向けた取組を提案。不十分なインフラや非効率な税関手続きなど8つの改善点を指摘し、2010年には貿易・投資委員会(CTI)において「Supply Chain Connectivity Framework」の行動計画が承認されている。・「Supply Chain Connectivity Framework」における「モード間の接続の非効率」が課題となっているという指摘(Chokepoint6)に対応することを目的として、海上コンテナ輸送にかかる物流情報の可視化を推進する取組、例えば、輸入コンテナ搬出可否情報、船舶動静情報などのコンテナ物流情報を、ターミナルオペレーター、荷主、海貨業者、運送事業者間で共有化する日本のColinsのような取組について、APEC加盟国・地域間で情報共有するワークショップの開催を日本より提案。韓国・台湾が共同提案国となっている。・今次会合において、BMCに当該プロジェクト・コンセプトノートを提出することがオーソライズされた。BMCの採択の可否決定を待って、次回会合までの間に引き続き詳細な提案を作成するとともに各国と調整し、BMCへ提出していくこととなった。(港湾を中心とした物流ネットワークにおけるボトルネック解消方策の検討(日本・港湾局提案))・当該プロジェクトは、「Supply Chain Connectivity Framework」における「非効率・不十分な輸送インフラ」が課題となっているという指摘(Chokepoint2)に対応するため、各エコノミーにおける改善策のベストプラクティス(例:京浜港と内陸都市の鉄道による接続パイロットプロジェクト、インランドデポに関する取組等)を共有するもの。・今次会合前に各参加エコノミーにベストプラクティス提出を求めたところ、日本を含む4エコノミーから回答があった。今次会合では引き続き各エコノミーに提出を求め、各国からの報告を、日本が次期会合にてとりまとめて報告することとなった。(グリーン港湾評価指標の作成調査(中国提案))・当該プロジェクトは港湾における環境配慮指標について調査・検討を行うもの。・今次会合では、原則的にはプロジェクト提案は認められたものの、いくつかのエコノミーが世界銀行や国際港湾協会等の他の国際機関の取組との重複に関して懸念を表明した。中国はプロジェクト提案を修正して再度、港湾・海事専門家会合に提示し、審議することとなった。また、プロジェクト・コンセプトノートについては、港湾・海事専門家会合としてのプロジェクト提案の了解を得た後、間に合えば、次回のBMCへ提出されることとなった。(海賊対策セミナー(ロシア提案))・ロシアより、アジア太平洋域内、特にアジア地域における海賊対策について、APEC予算により、ベストプラクティス及び情報共有に関する調査・分析を行い、2012年10月にウラジオストクで海賊対策セミナーを開催し政策提言を行うとのプロジェクトの提案がなされた。・多くのメンバー国が同プロジェクトの提案を支持する一方で、各国からIMO、ReCAAP(アジア海賊対策地域協定)の取り組みとの重複をさけるべきとの意見があり、提案国ロシアがIMO、ReCAAPと提案内容について協議のうえ、再度、プロジェクト・コンセプトノートをメンバー国に回章して調整することとなった。(4)主な議論(海事保安専門家サブ会合)本会合の議長は、前回に引き続き、米国国土安全保障省のショーン・ムーン氏が務めた。また、前回副議長を務めた豪国運輸建設省のデビッド・ハーモンド氏は異動となったため、後任のジェニファー・モーリス女史が副議長を務めた。(ISPSコード導入促進プログラム)まず、ISPSコード導入促進プログラム(ICIAP)について、前回会合(2010年10月日本・浦安)以降の取組みについて次の報告がなされ、今後の実施に向けた改善点などが話し合われた。・ 港湾保安訪問プログラム(PSVP:各国におけるISPSコードの導入を支援するため、APEC港湾保安専門家のチームが他のAPECエコノミーを訪問する)について、インドネシアとブルネイへの訪問が実施され、2007年以降9カ国への訪問が実施済みであること、更に、今年度4カ国へ訪問するための予算が承認されたた。・ 港湾保安リスク精査ツール(PSRAT:ISPSコードで定められている港湾施設保安評価で用いるリスクを数値化し評価分析するツール)を導入するためのワークショップ開催のための予算が承認され、前回会合以降インドネシア及びベトナムで開催された。本ツール導入のためのワークショップは、2010年以降4カ国で開催済みで、更に、今年度2カ国での実施が予定されている。・ 自己精査訓練ワークショップ(SATW;埠頭保安規定等を港湾管理者が自己精査できるよう訓練する)を開催するための予算が承認され、今年度3カ国での開催が予定されている。(APECテロ対策本部の戦略案)APECテロ対策本部(CTTF)より、複数のワーキング・グループを横断する新しい戦略案が示され、交通ワーキング・グループに対し、航空保安専門家サブグループ(AEG−SEC)及び海事保安専門家サブグループ(MEG--SEC)への意見照会があった。細部表現についていくつかのコメントがあるものの、CTTFの戦略はMEG-SECが実行中のプロジェクトと一致している旨、CTTFに回答することとした。(その他の活動報告)また、その他の港湾保安活動報告について各エコノミーから、最新の活動報告として以下がなされた。・ 米国より、港湾保安規則モデル及び共通精査及び報告ツール(CART:複数の港湾保安関連機関に対して、港湾施設の状況を同時に発信できるツール)について紹介した。CART導入検討に関するワークショップがタイで実施され、タイより、同ワークショップの結果について報告した。・ 日本より、大気と海水の放射線レベルについての情報発信、及び港湾における船舶・輸出コンテナの放射線検査について紹介し、現在日本の主要都市における放射線量が安全なレベルであること、京浜港において船舶・輸出コンテナの放射線検査と証明書の発行が開始されていること報告した。・ 台湾より、電波式個体識別(RFID)式コンテナドアシールを用いた、サプライチェーンの可視化について紹介した。このシステムの導入により、コンテナの移動状況が可視化されるもので、台湾--マレーシア間での輸送試験が行われたこと説明した。(今後の活動)予算が承認されているPSVC、PSRAT及びSATWの3プロジェクト、及び保安法制化に関するワークショップを実施して行くこと確認した。また、「APEC操練・演習マニュアル」について、引き続き改正と検証の支援を行い、第36回会合(2013年)で改正版の照査を行うこととした。 |
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