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■日本郵船/新日本製鐵と原油タンカー用高耐食性厚鋼板を世界で初めて開発・実用化
原油タンカー用高耐食性厚鋼板を世界で初めて開発・実用化
(国連機関IMO採用を検討へ)

 新日本製鐵株式会社(以下、新日鉄)と日本郵船株式会社(以下、日本郵船)は、原油タンカーの貨物タンク底面の腐食を防ぐ高耐食性厚鋼板(商品名『NSGP(R)−1』(*1)、以下、本開発鋼)を共同で開発しました。日本郵船は本開発鋼を今後建造する原油タンカーに世界で初めて全面的に採用します。

 原油タンカーの貨物タンク底面には、原油に含まれる塩水(*2)が沈殿してピットと呼ばれる腐食による窪みが発生します。本開発鋼は、油漏れなどの重大事故につながるおそれのあるピットの発生を防ぐために考案されました。

 開発に際して新日鉄はタンクの底で腐食が進む環境を再現し、添加する合金元素の種類と添加量の最適な組み合わせを発見しました。本開発鋼は、溶接や加工を従来の鋼材と全く同様に施すことが可能で、船の建造に特別な施工管理が要らないことも大きな特長です。新日鉄と日本郵船は、2004年に本開発鋼を大型タンカー「TAKAMINE」(三菱重工業株式会社建造)の貨物タンク底面に試験採用し、2.5年後の定期点検で無塗装でもピットが発生しないことを確認しました。日本郵船は、この結果を受けて今後建造される大型タンカー5隻(株式会社アイ・エイチ・アイ・マリンユナイテッド、今治造船株式会社にて建造)での採用を決定したものです。

 本開発鋼は塗装を必要としないため、塗料や有機溶剤の使用が不要となり、より地球環境に優しい船舶が実現できます。また、建造時、修繕時の塗装コストも大幅に削減可能となります。もう一つの長所として、従来は塗装不良や塗装性能の劣化等で急速に腐食が進展する場合もありましたが、耐食鋼ではそのような塗装上の問題はなく、船舶の安全性と信頼性が飛躍的に向上します。

 一方、国連機関ではタンカーの安全性向上のためピットの発生防止対策が論議されてきました。その中では塗装が唯一の有効手段と認識され、その義務化について検討されていました。しかしこの度、本開発鋼の良好な耐食効果が立証され、日本発の新技術として、耐食鋼の採用も検討対象とすることに成功しました。このように本開発鋼の有効性は国際的にも認識されています。

 新日鉄と日本郵船は、今後とも船舶のより一層の信頼性向上と地球環境への貢献等、お客様及び社会的なニーズに応えてまいります。

(*1)NSGP(R)−1:Nippon Steel's Green Protect−1
(*2)塩水:原油中に含まれるもので、海水の数倍の塩分濃度である。時間が経過すると原油と分離し、タンクに沈殿する。

以上
 
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