フォークリフト用エンジン認証での法規違反に伴う国内出荷停止について
株式会社豊田自動織機は、国内(日本)市場向けフォークリフト用の当社製エンジンについて、経年劣化による排出ガス国内規制値の超過と、排出ガス国内認証に関する法規違反の可能性を確認しました。このため本日、ディーゼルエンジン2機種とガソリンエンジン1機種の計3機種を搭載するフォークリフトの出荷停止を決定し、国土交通省、環境省、経済産業省に報告いたしました。
お客さま、販売店、仕入先をはじめ、多くの関係者の皆さまに多大なご迷惑をおかけすることとなり、心よりお詫びを申しあげます。今後、関係省庁の判断、指示を踏まえ、出荷再開・市場措置に向けた取り組みと再発防止に全力をあげてまいります。
1. 主な経緯
1) | 2020年後半 | : | 北米向けガソリンエンジンの2021年用年次認証申請に際し、米国環境当局からのデータ確認や問い合わせへの対応を行なっておりました。 |
2021年5月 | : | 米国環境当局への対応の中で、申請済のデータに懸念をもち、外部弁護士による調査を自主的に開始しました。なお、この米国認証に関する調査内容は、米国の環境・司法当局に報告しています。またこれまでに、米国各当局の調査も開始されており、これに協力しています。 | |
2) | 2022年1月 | : | 外部弁護士による調査範囲を、国内のガソリンエンジン認証まで拡大しました。 |
2022年4月 | : | ディーゼルエンジンについても、検証・調査を開始しました(劣化耐久試験※を含む)。 | |
3) | 2023年3月 | : | 排出ガス国内認証に関して問題を確認し、対象エンジン搭載フォークリフトの出荷停止を決定しました(出荷停止フォークリフト:月産1.4千台規模)。 |
※劣化耐久試験:一定時間を運転後のエンジン排出ガス性能を確認する試験 |
2. 確認事項の概要
1)ディーゼルエンジン
機 種 | 搭載フォークリフト販売台数 | |
---|---|---|
1ZS型/1KD型 2014年申請 | 21年度 9.4千台 | 23年2月末累計 71.3千台 |
経年劣化による排出ガスの規制値超過※と、法規に定められた劣化耐久試験の手順・方法違反を確認 |
※排出ガスで規制される4成分のうちPM(粒子状物質)が超過 |
2)ガソリンエンジン
機 種 | 搭載フォークリフト販売台数 | |
---|---|---|
4Y型 2009年申請 | 21年度 7.1千台 | 23年2月末累計 88.3千台 |
法規に定められた劣化耐久試験の手順・方法違反を確認
3. お客さまへの対応
出荷停止するフォークリフトにつきまして、関係省庁の指導を受けながら、出荷を再開できるよう努めてまいります。この間、ご使用中の機台への円滑なメンテナンスサービスや、お客さまの物流現場の状況に応じたご提案等を通じ、稼働への影響を最小限に留めるよう注力してまいります。
ディーゼルエンジン式フォークリフトの既販車につきましては、経年劣化により排出ガス規制値を超過するため、今後リコール等の措置が確定次第、速やかに対応を進めていきます。なお、ご使用の継続にあたり、市場措置等に関するご連絡を差しあげるまでの間は、お客さまに何らかのご対応をいただく必要はございません。
4. 再発防止に向けて
これまでに行った外部弁護士による調査に加え、独立した外部有識者による特別調査委員会を設置し、本件内容の解明および真因分析、これに基づく再発防止策を取りまとめます。
特別調査委員会の構成
委員長 | 井上 宏(弁護士・公認不正検査士、元 福岡高等検察庁検事長) |
---|---|
委員 | 松山 遙(弁護士) |
委員 | 島本 誠(ヤマハ発動機株式会社 顧問) |
5. 役員の報酬辞退
お客さま、販売店、仕入先をはじめとする多くの関係者の皆さまに多大なご迷惑をおかけすることに鑑み、以下のように役員報酬を辞退します。
役 職 | 氏 名 | 内 容 |
---|---|---|
取締役会長 | 豊田 鐵郎 | 月額報酬の100%×6ヵ月分 |
取締役社長 | 大西 朗 | 月額報酬の100%×6ヵ月分 |
取締役副社長 (トヨタL&Fカンパニープレジデント) |
水野 陽二郎 | 月額報酬の30%×6ヵ月分 |
経営役員 (エンジン事業部長) |
松本 洋 | 月額報酬の30%×6ヵ月分 |
特別調査委員会の報告後、対象・内容等について再度お知らせいたします。
6. フォークリフト用以外のエンジンについて
ディーゼルエンジン1KD型は、フォークリフト用とは別に国内認証を取得し、建設機械用として外販しております。これについても法規に定められた手順・方法に従っていなかったため、出荷を停止します。
7. 業績への影響
現在、本件が当社の連結業績に与える影響につきまして精査しており、今後開示すべき事項が生じた場合は、速やかに開示いたします。
2023.03.17
2023.03.17
2023.03.17
2023.03.17
2023.03.17
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