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商船三井/インドネシアにおけるマングローブの再生・保全事業に参画

物流全般 2022.01.06

インドネシアにおけるマングローブの再生・保全事業に参画
~海の豊かさを守る ネイチャー・ポジティブ企業を目指して~

2022年01月06日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、ワイエルフォレスト株式会社(社長:阿久根直人、本社:福岡県福岡市、以下「YLF」)と共同し、インドネシア共和国南スマトラ州において、マングローブの再生・保全を目的としたブルーカーボン(註1)・プロジェクト(以下「本プロジェクト」(註2))に参画することとしました。本プロジェクトにおいて、当社は資金面での貢献に加え、今後は現地でのプロジェクトの運営にも深く関わっていきます。

YLFは、特定非営利活動法人国際マングローブ生態系協会(以下、「ISME」(註3))による技術指導の下、2013年より南スマトラ州において残存する約14,000haのマングローブの保全活動を行ってきました。本プロジェクトでは30年間で、森林保全活動による約500万トンの二酸化炭素(CO2)の排出抑制、さらに約9,500haの裸地でのマングローブ等の新規植林による約600万トンのCO2の吸収・固定を目指します。現在、国際的なカーボンクレジット基準管理団体Verra(註4)による認証を受けるべく、2022年前半のプロジェクト登録を目指して手続きを進めています。

マングローブはCO2を取り込み、炭素を蓄えるだけでなく、命のゆりかごと呼ばれ、マングローブと共に生きる生物の多様性を守ります。また、高波から沿岸に住む人々の暮らしを守る等、気候変動への適応策としても非常に重要な存在です。当社はYLFと共に、本プロジェクトを通じて、マングローブの再生・保全活動を行う他、シルボフィッシャリ―(註5)を導入し、持続可能な水産・森林経営を通じて地域住民の生計向上を支援し、人と自然が共生する社会づくりを目指します。

当社グループは、モーリシャスにおける自然環境回復事業(註6)を通じて、ISMEをはじめとするパートナーからマングローブの重要性について学び、海の豊かさを守るネイチャー・ポジティブ企業(註7)を目指して、気候変動対策や、海洋環境保全、生物多様性保護などに積極的に取り組むこととしました。2021年6月に策定した「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」では、2050年に向けてスコープ1,2、3の全てを対象にネットゼロ・エミッション達成を目指しています。当社グループは、多様なステークホルダーとの共創を通じて、本プロジェクトを始めとする自然及び技術ベースのネガティブ・エミッション(註8)の創出にも取り組み、ネットゼロ・エミッションを実現していきます。そして、次世代に生きるすべての生命のために、人・社会・地球のサステナブルな発展に貢献していくことで、青い海から豊かな未来をひらきます。(図1)

(図1)
商船三井グループ 環境ビジョン2.1における主な取り組みとマテリアリティ】

【商船三井について】
1884年設立の800隻を超える世界最大級の船隊を運航する総合海運企業。資源・エネルギー・原材料・製品など多様な物資を輸送する海運業を中心に、海洋事業、風力エネルギー関連事業、フェリー事業、内航船事業、曳船事業、倉庫・海事コンサルタント業、不動産事業、客船事業などを含む様々な社会インフラ事業を展開し、世界中の人々の暮らしや産業を支えています。
商船三井ホームページ:https://www.mol.co.jp/

【YLFについて】
前身である山本木材産業株式会社は1970年創業。30年に渡り木材輸入事業を手掛けていたが、現会長である山本亮氏が環境破壊の深刻さに問題意識を持ち、2004 年に植林活動へと事業を転換、2006 年よりインドネシアにおけるマングローブの植林を開始しました。本プロジェクトの他にも、企業から委託を受けて、恵みの森づくりとしてマングローブの植林、及びシルボフィッシャリ―事業(「Silviculture(造林)」と「Fishery(漁業)」を組み合わせた手法であり、マングローブの森づくりと水産養殖の再生の両方の便益を創出する方法)を行い、人と自然環境が調和する社会を創出するために活動しています。
YLFホームページ:http://www.ylforest.co.jp/

(註1) ブルーカーボン
ブルーカーボンとは、マングローブ、海草藻場、塩性湿地といった海洋生態系によって隔離・貯留されたCO2由来の炭素のことです。2009年10月に国連環境計画の報告書においてはじめて定義され、陸域の森林等により吸収されるCO2由来の炭素「グリーンカーボン」とならんで、自然ベースのネガティブ・エミッション(註8)として注目されています。

(註2) 本プロジェクト
YLFは南スマトラ州オーガン・コムリン・イリ―ル県(OKI県)において、県知事による事業許可の下、OKI REDD+事業に取り組んでいます。REDD+ (Reducing emissions from deforestation and forest degradation and the role of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries) とは、 途上国における森林減少・森林劣化によるCO2の排出削減、および新規植林による炭素蓄積強化を行う活動のことで、気候変動対策として注目されています。

(註3) ISME
ISMEは1990年に設立され、マングローブ生態系の保全などの活動を行っている国際的なNPO/NGOです。世界94カ国/地域に1,300人を超える個人会員と41の団体会員がおり、これまでに世界30カ国以上で調査・植林活動を行い、38カ国から250人を超える外国人に研修を行ってきています。国際的には国連経済社会理事会(UNECOSOC)への諮問的地位を有するNGOとして、国内的にはNPO法人として活動し、理事長の琉球大学名誉教授 馬場繁幸氏はYLFの技術顧問も務めています。
ISMEホームページ: http://mangrove.or.jp/index.html

(註4) Verra
Verra(米国ワシントンDC)は世界で最も広く使用されている「Verified Carbon Standard(VCS)」を管理・認証する、国際的なカーボンオフセット基準管理団体です。

(註5) シルボフィッシャリ―
シルボフィッシャリーとは、 造林 ( Silviculture)と水産業 ( Fishery)を組み合わせた方法で 、 エビ養殖池にマングローブを植林し、自然に近い状態でエビや魚を育てる手法で、以下の特徴があります 。

  • 餌や薬品の投与を必要とせず、環境を汚染しない自然共生型の養殖方式。
  • 適切な森林管理を継続することで、養殖業運営コストをほとんどかけずに持続的な水産養殖を行うことができ、地域住民の生活向上に寄与します。
  • 高波対策や護岸機能等の気候変動への適応策、水質・土壌の浄化、生態系の回復・保全といった相乗便益が見込まれます。

(註6) モーリシャスにおける自然環境回復事業
当社はモーリシャス環境・社会貢献チームを立ち上げ、マングローブやサンゴ礁の保護を始めとする自然環境保護・回復プロジェクト、現地政府等の公的機関や現地NGOへの基金の拠出等を通じた社会貢献活動を実施しています。

(註7) ネイチャー・ポジティブ
ネイチャー・ポジティブとは生物多様性の損失を回避し、プラスの影響がマイナスの影響を上回るような状態にすることを指します。地球上のすべての生命の持続可能な未来のために、生物多様性を2030年までに回復軌道に乗せることが重要だと言われています。

(註8) ネガティブ・エミッション
ネガティブ・エミッションとは、大気中のCO2を除去し、貯留することを指し、森林やブルーカーボン等自然界のCO2吸収を増やす自然ベースのものと、化学工学的技術を使って大気中からCO2を除去する技術ベースのものに二分されます。


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