ヤマトホールディングス/法人のお客さまの社員向け引越サービスにおける不適切な請求に関する 調査委員会による調査結果、および再発防止に向けた今後の対処を公表|通販物流代行・物流コンサルティング・社員教育のイー・ロジット

物流ニュースLogistics News

「物流ニュース」は、物流関連のニュースリリース/プレスリリースを原文のまま多くの情報をご覧いただけます。

物流ニュース

ヤマトホールディングス/法人のお客さまの社員向け引越サービスにおける不適切な請求に関する 調査委員会による調査結果、および再発防止に向けた今後の対処を公表

法人のお客さまの社員向け引越サービスにおける不適切な請求に関する
調査委員会による調査結果、および再発防止に向けた今後の対処について

ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:山内 雅喜 以下、「YHD」)とヤマトホームコンビニエンス株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:和田 誠 以下、「YHC」)は、YHDないしYHCと利害関係を有しない「外部の独立した専門家で構成する調査委員会」(委員長:弁護士 河合 健司氏、以下「調査委員会」)から、法人のお客さまの社員向け引越サービスにおける不適切な請求(以下、「本件事象」)に関する調査報告書を受領し、本日、国土交通省にその内容を報告するとともに、今後の対処の方針を決定しましたのでお知らせします。

今回の調査の結果、

  • ・YHCにおいて、商品設計、教育、法人契約、会社の組織体制、社員の処遇面、内部通報制度、内部監査に重大な不備があったこと
  • ・そのために、引越における不確実要素を考慮し、積み残しの支障を回避するために多めに見積りした額を、大多数のYHC社員が約款に基づき修正すべき可能性があることを認識せず、「事前にご了解いただいた見積金額をそのまま請求する」ことが通常の業務オペレーションであると誤って認識していたこと
  • ・一部にこの不備を利用した「悪意で上乗せした見積」があったこと
  • ・さらに、外部、内部から通報があったにもかかわらず、自らかかる重大な不備の発見と抜本的な改善に至らなかったこと

が判明しました。

YHDは当調査結果、および調査委員会からの提言を重く受け止め、YHCが提供するすべての引越サービスの約款順守を再点検し、順守できていないサービスについては、約款を順守できる商品の再設計が完了するまでの間、個人のお客さま向けを含むすべての引越サービスの新規受注を休止するとともに、この度の事態に対する処分を決定しました。

社員向けにYHCの引越サービスをご利用いただいている法人のお客さまをはじめ、ヤマトグループのサービスをご利用いただいている全てのお客さま、および関係者の皆さまの信頼を裏切り、多大なご迷惑ならびにご心配をおかけしましたことを心から深くお詫び申し上げます。
二度とこうした事態を招かぬよう、全社を挙げて抜本的な再発防止策を着実に遂行し、信頼回復に努めてまいります。

1.今回の調査の経緯

YHDは、7月23日に調査委員会を設置し、本件事象に関する事実関係の調査、2010年及び2011年に内部告発を受けた不適切請求に係る事象などこれまでの不適切な実態に関する事実関係の調査、本件事象の原因分析、再発防止策(YHCが緊急対応した、またはしようとしている再発防止策に対する有効性評価を含む)の提言、以上の事項について調査委員会に委嘱しました。

2.今回の調査の概要

調査委員会は、2018年7月24日から8月27日までの間、調査及び調査結果に基づく検討を実施しました。調査対象期間は、2018年6月30日から遡り、本件内部告発がなされた2010年ころまでです。実施した調査内容は、総勢268名に対する事情聴取、関係資料の確認・精査、システム管理会社に対する照会、要因仮説の検証等です。

3.法人のお客さまの社員向け引越サービスの調査結果

以下は調査委員会報告書における「第5 調査結果に基づく分析考察」の要約です。

  • (1)不適切な請求の事象

    7月24日に発表のとおり、2016年5月1日から2018年6月30日に、全3,367社の法人のお客さまからYHCが受注した社員向け引越サービス約12万4,000件、総額約165億円のうち、不適切な請求が2,640社、計約4万8,000件あり、その総額は約17億円でした。その内訳について

    • [1] 悪意で上乗せ見積りした事象は、不適切な請求である総額約17億円の約16%と推認されています。
    • [2] その他は、引越における不確定要素を考慮し、積み残しを回避するため見積に余裕を持たせる、見積後の家財処分等の事情変更などによる不確定見積が修正されなかった結果、不適切な請求となったと推認されています。
  • (2)不適切な請求の発生経緯

    2008年から販売を開始した引越らくらくタイムリーサービス(以下、「タイムリー」)、および単身引越ジャストサービス(以下、「ジャスト」)の商品設計は、YHCが担当しましたが、現場の意見を踏まえた試験的な運用と結果の検証、商品販売前の社員教育、商品販売後の検証、採算性の検証等について、十分な確認、分析等が行われませんでした。

    また、約款についても、いかなる場合に見積を修正、もしくは精算が必要となるのか、具体的なケースに即した検討、検証が行われませんでした。

    タイムリー、およびジャストの料金は、家財量ポイントに応じて設定されているため、結果的に見積担当者が容易に見積を上乗せすることが可能となり、不適切な請求が行われるきっかけとなりました。

  • (3)不適切な請求の原因・背景

    不適切な請求の原因・背景は、YHC本社における商品設計の問題、教育の問題、法人契約の問題、会社の組織体制の問題、社員の処遇面の問題、内部通報制度運用の問題、監査運用の問題に帰着する、YHC全体の倫理意識の欠如であることが明らかになりました。

4.個人向け引越サービスにおける不適切請求の調査結果

以下は調査委員会報告書における「第5 調査結果に基づく分析考察」の要約です。

YHCにおいて、過去2年間に遡り、作業連絡票が残存する限り、法人顧客と同様の手法で不適切な見積の有無を調査した結果、不適切な請求の可能性がある案件は極少数であり、調査委員会では、契約締結時の交渉経緯、支払方法などから「そもそも不適切な請求が発生することは考え難い」「不適切な請求が発生しにくいと思料される」と分析しています。

5.再発防止策の提言

以下は調査委員会報告書における「第6 再発防止策の提言」の要約です。

  • [1] 引越商品の設計の見直し

    YHCにおける引越商品自体の販売中止と抜本的な見直し、商品の開発、運用管理等の権限責任を有する部門の設置、およびローカルルールの運用禁止

  • [2] 教育の充実

    YHCにおける早急なコンプライアンス研修の実施、教育担当者の育成とマニュアル等の整備を含む教育の充実

  • [3] 法人契約の見直し

    YHC本社における法人契約のチェック機能を有した部門・担当者の任命と、契約内容の適正化、タリフ料金割引に関する決裁基準の策定、顧客台帳の整備を含む法人顧客管理の整備

  • [4] 会社組織における体制整備

    YHC統括支店の権限と責任の見直し、法務・CSR部門の強化等を含む体制整備へのYHDの支援・関与

  • [5] 社員の処遇、業績評価の見直し

    YHCの法人顧客の社員向け引越に関係する部門の損益配分ルールの見直し等を含む社員の処遇、業績評価方法等の見直し

  • [6] 文書保管基準の見直し

    YHCにおける作業連絡票を文書保管規程上の保管対象文書とするか否かの検討等を含む文書保管基準の見直し

  • [7] 内部通報制度・監査の見直し

    グループ内で現在は存在しない内部通報を受けた場合の具体的な対応手順を定めること等を含む内部通報制度・監査の見直し

  • [8] YHDの管理・監督

    上記[1]から[7]を実現するためのYHDによる全般的なYHCの管理・監督

6.YHD、YHCが決定した抜本的な再発防止策

調査委員会からの提言を受け、YHDとYHCは協力の上、下記の抜本的再発防止策に取り組みます。

  • (1)YHCに取締役会長を配置

    9月1日付で、YHCの引越商品の再設計、ガバナンス強化、コンプライアンス体制の構築・運営、倫理教育をはじめとした抜本的対策防止策を実行・統括する責任者として、YHD代表取締役 副社長執行役員神田晴夫を、YHC取締役会長に兼務として配置します。

  • (2)YHCによる引越商品の再設計

    9月中にYHC本社に引越商品の開発、運用実態の管理、およびそれに応じた商品の見直し権限を有する引越専任部署として、「引越サービス部」を設置します。
    引越サービス部の具体的な取り組みは以下の通りです。

    • [1] お客さまと社員にとって「分かりやすい引越商品」の再設計
      法人、個人を問わず、全てのお客さまと社員にわかりやすく、約款を順守した、また時代やお客さまニーズとともに進化できる新しい引越商品の開発を目指します。
      2018年度中を目標に、商品開発、必要な管理・モニタリングの仕組み構築、ITシステム、関連帳票、マニュアル整備などに取り組みます。
    • [2] 法人のお客さまとの契約体系の再設計
      法人のお客さまとの引越契約について、割引率や契約における決裁基準・ルールの整備、法人契約台帳の更新、および透明性の高い適正な料金体系の再設計に取り組みます。
  • (3)YHCに教育責任部署、営業統括部署を新設

    9月中にYHC本社に両部署を設置し、教育体系の構築、コンプライアンス・倫理研修の速やかな実施と徹底、本社と第一線のコミュニケーション活性化や現場からの声を吸い上げる仕組みの構築、また法人契約の運用実態や契約内容のチェック体制、部門間における社内配分ルールの再構築に取り組みます。

  • (4)YHCにおける社員の処遇、業績評価方法の見直し

    管理会計の見直しとともに、業績評価基準および、インセンティブ制度の基準とルールの再設計に取り組みます。

  • (5)YHCの文書保存基準、データ保管基準の見直し

    商品設計、関連帳票の見直しにあわせ、帳票関連の保管基準の見直し、システム内で保管するデータの種類・保存期間のルールの再設計に取り組みます。

  • (6)YHCの内部通報制度、監査の運用の見直し

    内部通報に対する具体的な対応手順、処理方法、重大性判断基準および、商品の販売、管理に関する監査項目の再整備、監査の運用徹底に取り組みます。

  • (7)ヤマトグループ全体のガバナンス強化

    9月1日付けで、YHDに社長直轄の「グループガバナンス改革室」を設置します。
    グループ全体のガバナンスの抜本的、かつ包括的な再構築を目的に、YHD社長の指揮の下、YHDの各部門責任者とフォーメーション各社のコンプライアンス・CSR担当役員で構成します。
    調査委員会の提言に基づき、YHDおよびグループ各社の商品、サービス、機能、制度、監査項目の総点検と、内部通報に対する対応手順、処理方法、重大性判断基準等、必要な改革案の策定、実行、モニタリング、分析について総合的な仕組みの構築と徹底を図ります。

7.お客さまへの対応

YHCは不適切な請求があった全ての法人のお客さまへのご一報と謝罪を7月23日までに完了しておりますが、今後は、今回の調査結果のご報告とともに、過去26カ月間に提供したタイムリーとジャストについて、輸送形態等から推計される家財量に基づいて再計算した適切な請求額と、既に請求済みの請求分との差額の全額を速やかにご返金するとともに、個々のお客さまに誠意をもって、引き続き丁寧に対応してまいります。

なお、個人のお客さま向け引越サービスについても、約款の順守が確認できるまでの間、全ての引越サービスの新規受注を休止します。

休止する引越サービスの内容は以下の通りです。

  • [1]法人のお客さま向け引越サービス

    引越らくらくタイムリーサービス・単身引越ジャストサービスは再設計のため販売を中止します。
    単身引越サービス・オフィス移転サービスは約款順守を再点検した上、販売を再開する予定です。(時期未定)

  • [2]個人のお客さま向け引越サービス

    引越らくらくタイムリーサービス・建替引越パック・リフォーム引越は再設計のため販売を中止します。
    単身引越サービスは約款順守を再点検した上、販売を再開する予定です。(時期未定)

8.今回の事態に対する処分

調査結果を厳粛に受け止めるとともに、法人のお客さまをはじめ、ヤマトグループのサービスをご利用いただいているお客さま、および関係者の皆さまに多大なご迷惑とご心配をお掛けしたことを受け、以下の通り役員の処分を行いました。

YHD 執行役員 兼 ヤマトロジスティクス(株)代表取締役社長

市野 厚史 降格 ※前YHC社長

ヤマトリース(株)代表取締役社長 長谷川 誠 降格 ※2008年~2010年 YHC社長

YHC 代表取締役社長 和田 誠 減俸(月額報酬1/3)1か月

YHC 取締役常務執行役員 加藤 三樹夫 減俸(月額報酬1/3)3か月

YHC 執行役員HC事業本部長 森高 朋樹 減俸(月額報酬20%)3ヵ月

ヤマトオートワークス(株)取締役 小川 輝泰 減俸(月額報酬20%)3ヵ月

YHC 執行役員九州統括支店長 横井 聡 減俸(月額報酬20%)3ヵ月

ヤマト運輸(株)執行役員北信越支社長 小林 秀朝 減俸(月額報酬20%)3ヵ月

また、YHDは子会社に対するガバナンスの不備を厳粛に受け止め、下記の通り役員報酬を自主返上いたします。

YHD 取締役会長 木川 眞 月額報酬 1/3 3ヵ月

YHD 代表取締役社長 山内 雅喜 月額報酬 1/3 3ヵ月

YHD 代表取締役副社長 神田 晴夫 月額報酬 1/3 3ヵ月

YHD 専務取締役 芝崎 健一 月額報酬 10% 3ヵ月

YHD 常務執行役員 大谷 友樹 月額報酬 10% 3ヵ月

以上