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豊田通商/新品種を軸に国内産コメ事業に参入

新品種を軸に国内産コメ事業に参入
~最大1.5倍の収量とおいしさを両立、生産者に魅力あるコメ生産を目指す~

豊田通商株式会社(以下、豊田通商)は、2015年から、新品種を軸に国内産コメ事業に参入いたします。本事業は、豊田通商が出資する水稲種子開発ベンチャー「株式会社水稲生産技術研究所」(以下、水稲研)が権利を持つ新品種を用いて、契約栽培からコメの販売までを一貫して行う取り組みです。

1.背景

日本では、コメ生産者の減少や高齢化により、将来的なコメ生産の継続が危惧されています。また、消費構造の変化から、需要(ユーザーが求めるコメ)と供給(生産者が作るコメ)にミスマッチが生じており、その解消が必要となってきています。

2.事業内容

こうした課題を踏まえ、本事業では、豊田通商が新品種の種子販売、契約栽培からコメの販売までを行い、生産者とユーザーそれぞれの顔が見えるバリューチェーンの構築を目指します。

2012年から、新品種の生産基盤の確立を目的に、各地の農協や農業生産法人などの協力の下試験栽培を行い、栽培方法の最適化を図ってきました。2014年には、17県・約100ヘクタール(ha)で栽培し、一定の増収を見込めるようになったことから2015年より順次商業栽培に切り替えていきます。今後はさらに多くの生産者を募り、5年後には2,700haの作付け、約2万トンのコメの取り扱いを計画しています。

新品種を用いるメリットのひとつは、多収性により生産コスト低減を可能にすることです。豊田通商は、こうした新品種のポテンシャルに加え、生産者とともに ITの活用や農法の見直し、農業資材の最適化などに取り組むことで、政府の掲げる「日本再興戦略」にある生産コストの4割削減を目標に、生産者の経営安定化と所得向上を目指します。

また販売面では、豊田通商グループ内をはじめ、国内の中食・外食企業や一般消費者に対して、産地が見えるおいしいコメを提供していきます。将来的には海外への販売も視野に入れています。

<新品種の主な特長>
①大きな穂、大きな粒による多収
②東北から九州まで広い範囲で栽培可能
  (早生・晩生の2系統の品種)
③良好な食味
  (コシヒカリのおいしさと粘りを併せ持つ)
直播き(じかまき)にも向いた特性
  (初期生育が良く倒れにくい)
⑤一般品種の作期と大きくずれない
  (輪作体系への組み込みが可能)

3.新品種について

本事業における新品種は、コシヒカリをベースにしたF1ハイブリッド品種*です。一般的な品種と比べて粒が大きく、1.3~1.5倍の収量が見込める上、低アミロース性により粘りのあるおいしいコメです。2014年には10アール(a)当たりの収量が800キログラム(kg)を超えた産地を複数確認し、最高収量は1,005kgを記録しました。
(参考:2014年産一般水稲の平均収量 は530kg/10a)

<穂の比較>
穂の比較

コシヒカリ

新品種

豊田通商は、産業として永続できるコメ生産の確立に貢献する事を目標とし、生産者・ユーザーの双方から支持される事業の構築を目指していきます。
ご参考
早生(左)晩生(右)
品質特性
低アミロース
(アミロース含量16%前後)
出穂時期
ひとめぼれ並 日本晴並
栽培適地
北東北-関東 南東北-九州
登熟積算温度
1,100-1,200度
1,350-1,450度
収量性
一般代表品種比 1.3-1.5倍
千粒重 24-26g
耐病性
障害型冷害体制

<根元部分の比較>
コシヒカリ
新品種
(新品種の根は長く茎も太い)
<粒の比較>
コシヒカリ
新品種
(千粒重21-22g)
(千粒重24-26g)


*F1ハイブリッド品種とは

異なる二つの系統を交配して得た種子を栽培に供する品種群をF1ハイブリッド品種と呼びます。こうすることで生育が旺盛になり収量性が高まる(雑種強勢現象)ことから、野菜、トウモロコシ、さらには食肉用の豚や鶏など、非常に多くの農畜産物がF1ハイブリッド品種として育成されています。なお、遺伝子組み換えではありません。