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ヤマト運輸/「外形基準」の導入による「信書規制」の改革を求める

総務省 情報通信審議会 郵政政策部会の中間答申に対する当社の見解

当社は、昨年12月12日の郵政政策部会にて、生活者の視点に立った「信書規制」の改革案を提出しました(平成25年12月12日 情報通信審議会 郵政政策部会(第4回))。

当社はこれまで「信書」という概念そのものの撤廃を主張してきましたが、生活者が突然容疑者として刑事手続きに巻き込まれるリスクを一日も早く取り除き、安心して便利なサービスを利用できる社会を実現するために、過去の主張を改め、「外形基準」の導入による「信書規制」の改革を求めました。

しかしながら、3月12日、郵政政策部会が発表した中間答申(平成26年3月12日「情報通信審議会中間答申:郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」)を見ますと、生活者が不便や不安にさらされている現状を認めることもなく、「信書規制」の本質的な問題に取り組む意志も全く感じられず、大変残念に思います。

また、規制緩和から成長戦略へという流れからも程遠い内容であり、これではいったい誰のための答申なのか分かりません。

以下、郵政政策部会の中間答申に対する当社の見解を述べます。

現行の信書規制が生活者に与えているリスクが放置されることになります

現行の「信書規制」の本質的な問題は、「何が信書にあたるのか分かりにくい」にもかかわらず、郵便(ゆうパックやゆうメールは除く)か信書便以外の手段で信書を送った場合、送り主と運送事業者の双方に最大で懲役3年または罰金300万円が科せられるという罰則規定が存在していることにあります。

信書の概念は曖昧なものであるため、周知活動によって解決されるものではありません。事実、総務省は平成15年から「信書に該当する文書に関する指針」や「『信書に該当する文書に関する指針』Q&A集」を公表して周知活動を行っているにもかかわらず、送り主が信書と思わずに宅配便やメール便で送った荷物が実は信書であると受取人から告発され、郵便法違反で書類送検される事例は増えています。生活者は誰もが容疑者になるリスクにさらされており、便利なサービスを安心して利用できない環境におかれているのです。

こうした実態があるにもかかわらず、このたびの中間答申では、郵便法違反の基準を、曖昧な「信書」(内容基準)から、より明確な基準へと今後見直していくという意志が示されることはありませんでした。

つまり、郵政政策部会は、生活者のリスクをなくすことよりも、制度を守ることを優先したのです。この結論には生活者の視点が欠如しており、理解に苦しみます。

生活者のリスクを払拭するための当社の現実的な提案は受け入れられませんでした

生活者が犯罪者扱いされるリスクにさらされている現状を踏まえ、当社は、昨年12月12日の郵政政策部会で、郵便法違反の判断基準を、曖昧な「信書」(内容基準)から、国際的にも通用する外形基準に変更すると同時に、違反した場合の送り主に対する罰則規定は廃止すべきであると提案しました。

外形基準の導入は、かつて経団連(平成12年3月28日「経団連意見書:郵便事業への民間参入の速やかな実現を求める」)や運送事業各社に加え、日本郵政公社(当時)も主張していたことです(平成18年6月30日「郵便におけるリザーブドエリアと競争政策に関する研究会 報告書」p13)。

しかし、このたびの中間答申では、「『外形基準』によって『郵便法』・『信書便法』の規制対象を画することは適当でない」という理由と「既存事業に対する規制強化となり市場の活性化にもつながらない」という理由で、当社の提案を受け入れないだけでなく、外形基準の導入を含め「信書規制」のあり方を今後検討するという可能性すら示しませんでした。

生活者の不便や不安を払拭し、誰もが安心してサービスを利用できる環境を整えることと、基本的な通信手段である「信書の送達のユニバーサルサービスの確保」や「信書の秘密の確保」をどう両立させるのか。

今こそ、官民の叡智を絞って、生活者の視点に立った「信書規制」のあるべき姿を議論すべき時なのではないでしょうか。

生活者視点の規制改革を実現するために議論の継続を求めます

当社は、生活者の視点に立った規制改革が実現されるために、今後も規制改革会議等の場で、建設的な議論が継続されることを求めます。

そのためには、「信書の送達のユニバーサルサービスとして確保すべき必要最低限の範囲の問題」と「郵便(郵政)事業として提供が義務付けられているサービスの範囲の問題」を混同しないことが重要だと考えます。外形基準の導入により「必要最低限の範囲」が明確化されれば、「何が信書にあたるのか分かりにくい」ために、本来自由に競争ができるはずの領域で競争が委縮するということがなくなり、市場の活性化につながります。

「何が信書にあたるか分りにくい」ため生活者が刑事手続きに巻き込まれるリスクを常に抱えているという現実や、信書に関する事業全般が事実上日本郵便の独占状態にあるという現実をしっかりと直視し、生活者の視点に立った外形基準を導入することで、生活者の利便性向上と市場の活性化につながる真の規制改革が実現されることを強く望みます。

以上