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飯野海運/中期経営計画 「IEG14」 の進捗状況を公表

中期経営計画 「IEG14」 の進捗状況
- 成 長 と 進 化 -
Iino's Evolutionary Growth Plan to 2014


当社グループは、海運事業での新たなる成長と不動産事業での収益基盤の強化を目指し、2011年4月に3ヵ年の中期経営計画「IEG14」(2011 年4月~2014 年3月)を策定しました。本計画においては、当社グループの重点事業であるケミカル船事業の収益力の回復を図るため、不採算船の処分や資産効率を勘案した資産の入替えなどにより事業基盤の強化を推進し、海運事業と不動産事業を両輪とした経営の質的強化を目指しております。
本計画の進捗状況ならびに現時点での2011 年度(2011 年4月~2012 年3月)および2012 年度(2012 年4月~2013 年3月)の連結業績予想についてお知らせします。


○ 3つの柱について
1. ケミカル船事業の構造改革
A.主要諸施策
中東航路の収益性向上、
新基幹航路の育成、
Joint Venture を通じた集荷力向上、
組織力の強化、
不経済船の減船、
船腹調達の多様化

B.進捗状況
ケミカル船事業は、当社の取り組む海運事業の中で最も投資比率の高い分野(2010 年度では連結売上高の40%弱)ですが、現在、円高、市況の低下、船腹供給過多などの影響を受け、厳しい事業環境におかれています。当社グループの中期経営計画「IEG14」では、ケミカルタンカー事業の構造改革を最重要課題として位置づけ、収益向上へ向けての諸施策および船舶経費の削減に取り組んできました。
船舶経費の内、船舶の償却費等に相当する資本費につきましては、2010 年から継続して実施してきた対策の結果、ケミカル船事業全体で年5億円超の削減を達成し、更に、本日別途発表した「特別損失の発生見込みならびに通期連結業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、第4四半期に見込んでいる約40 億円の特別損失を計上することに伴い、2012 年度以降は年間約5億円の追加的コスト削減効果を獲得できる見込みです。
当社基幹航路である中東/極東航路のケミカルタンカー運賃市況については、リーマンショック後の急落から緩やかに回復傾向にはありますが、燃料油価格の上昇が採算を圧迫してきました。当社のケミカルタンカーグループでは、年間輸送量の90%相当を契約期間1年~5年の数量契約ベースの積荷で占めておりますが、これは契約数量を高めることによって燃料油価格の更なる高騰や、2012 年の荷動き低迷などによるスポット市況の下振れへの対応を念頭においたものです。現在更改中の契約の運賃率は、当社の信頼性および安定性をご評価いただき上昇傾向にあり、収益の状況は一定の改善を示しております。

 

当社は中東航路以外にも、例えばアジアから東周りの世界周航航路の開拓また米国のパートナーとの提携による大西洋域等の配船の拡充を含め、中東を中心とした航路を核として、全世界への展開を続けております。米国から中国に向かう航路など、スポット市場で高値運賃を維持している航路も散見され、それらは米国パートナーとのジョイントベンチャーでの配船および当社の世界周航航路の一環として取り込みを図っています。

当社は2006 年にケミカルタンカー部門の集荷業務と運航業務の拠点をアジアや世界の情報が集まるシンガポールに移管しました。その後、当社ケミカルタンカー全船の配船、集荷、運航および船舶調達業務をシンガポールで一括管理し、東京がサポートする体制を確立した結果、経営環境の変化や顧客のニーズに迅速に対応できるようになりました。
中東/アジア間の基幹航路については船型の大型化を進め、2010 年度からの累計で2万トン型ケミカルタンカー9隻の返船あるいは売船を完了、3万トン以上の大型船の配船に切り替え、運航の効率化と採算性の向上に努めております。また、中長期用船の他にも1年未満の短期用船を活用することで、契約期間と契約数量から割り出したスペースの需要と船腹数を計算し、需給インバランス改善への手当てを進めています。
このように、当社はコスト削減と収入面の改善を着実に進めておりますが、急速に進んだ円高によって、当社が講じた一連の対策の効果が見えにくくなっております。しかしながら、ケミカルタンカーは発注残が比較的少なく、船腹需給が引き締まりやすい環境にあることから、ケミカル船の事業収益は今後の市況回復とともに向上すると予想しております。実際に各船の足元の船舶収支は確実に改善しており、2011 年10 月から12 月までの3ヶ月間のケミカルタンカー事業の損益は、2011 年10 月31 日の開示予想数値および当第2四半期実績のいずれと比較しても上振れています。

2. 不動産事業を含めた安定収益基盤の強化
A.主要諸施策
飯野ビルディング開業、専用船事業の拡充

B.進捗状況
飯野ビルディング建替えについては、非常に厳しいテナント誘致競争の下、地道なリーシング活動を行ってきました。
また、2011 年3月の東日本大震災の影響により、建築資材の調達不安などの懸念もありましたが、2011 年10 月に全オ
フィスフロアの契約を獲得した上で、無事に開業を迎えることができました。
この飯野ビルディングは、非常に高い環境性能と耐震性能を兼ね備えております。米国の環境対応評価システムである「LEED 認証」では、当社フロア部分に対して最高ランク「プラチナ」を日本で初めて取得し、日本政策投資銀行の「DBJグリーンビル認証」においても最高ランクの「プラチナ」認証を取得しております。さらに、新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)からは都市部モデル省エネ事業対象に認定されております。また、日本における建築物の総合環境性能評価システム「CASBEE」の最高クラスである "S クラス"の取得を予定しているなど、数々の認証をいただいております。
当社グループでは、飯野ビルディングを含め東京都心部に6棟のオフィスビルを所有(一部共有ビルあり)しておりますが、2011 年12 月末の段階でのオフィス賃貸スペースの空室率は1.5%と高稼働を維持しております。今後とも、省エネと快適な執務環境の提供に努力していきます。
専用船事業の拡充につきましては、昨年4 月の中期経営計画発表時にお知らせしました2010 年2月に獲得した国内荷主向け大型LPG 船の契約に加え、10 万トン型石油製品船の代替契約を締結し、それぞれ新造船を発注しております。
海運業および不動産業のいずれにおいても、更なる安定収益基盤の強化に向け、新規プロジェクトおよび再開発等の検討を進めてまいります。

 

3. 新興国需要を取り込んだ中小型船の事業展開
A. 主要諸施策
ドライバルク船事業、中小型ガス船事業


B.進捗状況
当社ドライバルク船事業では、電力向け一般炭や木材チップを運搬する専用船事業、在来型PanamaxやOver Panamax に分類される7~8万トンサイズの大型船、3万トン前後のSmall Handy に分類される船舶の運航業務を行っております。新興国の事業展開では、昨年、中国曹妃甸での港湾事業への投資や大連での仮事務所の開設など、中国でのドライバルク集荷業務を開始しました。
ドライバルク船事業では、電力向け石炭専用船や製紙会社向けチップ専用船など、中長期用船契約を主体とした損益の変動が小さい専用船および専航船事業と、一定の年間数量契約を保有しておりますがスポット市況の影響を受ける自主運航船による不定期船事業があります。自主運航船のうちスポット市況の影響を受ける割合は、現在50%程度となっております。
市況については、2012 年に入り、足元のBDI(Baltic Dry Index)は1,000 を下回る厳しい状況が続いておりますが、中国の旧正月明け後春先に向かい一定水準まで回復していくものと予想しております。
中小型ガス船事業については、当社グループの国内LNG、LPG、VCM およびプロピレン輸送で培ったノウハウを以って、3,500 ㎥~8,700 ㎥の小型船の近海配船への展開を図っています。
なお、当社シンガポール事務所においては、ケミカル船事業以外の業務(ドライバルク船事業および中小型ガス船事業)の展開も進めています。


○ 5つの土台について
その他当社グループでは、以上の3つの柱の基礎となる5つの土台の取り組みも続けています。
1. 市況変動に対する耐性強化 (市況・為替・事業コスト等外部変動要因→全社リスクマネジメント)
2. 財務基盤の強化 (有利子負債の圧縮、資金調達の多様化)
3. 質的転換 (技術力・組織力・マーケティング力の強化と人材育成)
4. 安全の徹底 (船舶運航、ビル管理)
5. 環境負荷低減への取り組み (船舶、ビル)

 

○ 連結損益の状況
2011 年度の連結会計年度における営業利益は黒字を確保する見通しですが、経常利益は1977 年からの当社連結決算史上初の赤字となる非常に厳しい状況と認識しております。しかしながら、四半期毎の動きを見ますと、第2四半期を底とし、第3四半期以降は飯野ビルディングの竣工により不動産事業の業績が上昇に転じております。海運事業については、足元のドライバルク船市況が低迷しておりますが、当社グループの売上の40%を占めるケミカルタンカー事業でのコスト構造改革の推進や数量契約の有利更改により、今後、段階的な上昇を見込んでおります。

(略)