「IT+戦略物流思考で勝ち残る!」物流セミナー
「新しい仕組みづくり」を提案
物流コンサルティングやアウトソーシングを手がける(株)イー・ロジット(大阪市西区)は6日、物流セミナー「IT+戦略物流思考で勝ち残る!」を開催。「IT物流」の二大専門家と言われる(株)日通総合研究所常務取締役・湯浅和夫氏とイー・ロジットCEO・角井亮一氏が講演するとあって、会場には多くの荷主企業や物流事業者が詰め掛けた。両氏は物流業界の今後の動向などについて広角的に講義し、新しい「仕組みづくり」を提言した。
無意味な在庫移動/物流で最大の無駄
「企業競争力を強化するIT物流戦略とは」をテーマに講演した湯浅氏は、「情報共有をベースにした物流の再構築」が21世紀の物流課題であると説明。「インターネットにより情報制約がなくなり、安くて簡単に情報の共有、活用ができるようになった。すべての企業がインターネットを介して情報で結ばれるため、情報共有をベースにした取り組みが可能となる」という。これにより、情報制約を前提にした組織、業務、取引関係などがすべてなくなるというのだ。
しかし、現状は「情報制約が物流の進展を阻害している」と同氏。最も顕著な例が、「見込みによる在庫移動」だ。営業マンや製造担当者の判断で工場から物流センターに運ばれた商品が、売れずに残ったとする。売り上げと関係のない無意味な在庫移動であるにもかかわらず、運賃や管理費が発生。これが「物流における最大のムダ」(同)と断言。このムダが、物流コスト総額の30%を超える企業が少なくないという。
なぜ、見込みを誤ってしまうのか。「在庫コントロールに問題がある」と同氏。在庫日数を設定し、これを維持することが重要で、「『あといくつあるか』ではなく、『あと何日分あるか』をベースにする必要がある」と説明する。
「売れないモノを作り、売れないモノを運び、売れないモノを持つ。これら『見込みの供給活動』が生むムダを取り除くという考えがロジスティクス」と同氏。ロジスティクスによる効果として、「無意味な在庫移動の排除などで必要最小限の物流で済み、物流コストが低減される。また、欠品が減少し売り上げが増加するほか、無意味な生産や売れ残り品の処分などが回避される」という。
ところが、ロジスティクス化にともない「企業間格差の拡大が問題視されている」と同氏。見込み物流の企業もあれば、先進的な物流システムを導入している企業もあるためだ。しかし、同氏は「これは運送事業者にとってはチャンス」と言い切る。「単に運んだり保管するだけでなく、荷主に提案でき、格差解消ビジネスといわれる3PL(サードパーティーロジスティクス)を手がける事業者が求められている」からだ。
これからは「提案力」/分析・報告が重要に
次いで講演したイー・ロジットの角井氏も、すでに物流業界が構造転換期に入っていると指摘。「今後、物流中堅企業は減り、3PL企業と大手に受注が集中するという傾向になるだろう」と警告している。
これからの物流会社の役割として、「提案力」と「コスト競争力」が必要という。「具体的には、プロジェクトを一緒に動かしてくれ、現場やシステムなどあらゆる機能を最適に組み合わせてくれる会社のこと。また、社内にない機能(分析・報告)を持っていることも大切な要因となる。さらに、『あるエリアでの配送はいつも安くて早い』といった、単機能に関して絶対的なコストと品質を持つ会社についても評価は高い」と指摘する。
いずれにせよ、物流再構築を進める荷主企業が必要とする運送事業者であるために、常に荷主ニーズに目を向け「提案」する力を身につけることが必要かも知れない。






