日通総研/2008年度経済・貨物輸送の見通しを公表
2008年7月3日公表
2008年度経済・貨物輸送の見通し
経済
米国発のサブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱が、商品市場への資金流入という動きを増幅させるなか、信用の収縮に加えて、原油や食料品をはじめとする資源価格の高騰というリスク要因が、世界経済の先行きを一段と不透明なものにしている。米欧の減速をアジア地域が補うという構図に大きな変化はないが、08年は世界経済が増勢鈍化に向かい、米欧・アジア各国の経済成長率は軒並み減速を余儀なくされるものとみられる。なお、先行きが注目される米国経済は、金融市場が“正常な状態に戻るにはなお時間を要する”ものの、ひとまず最悪期は脱しつつある。ただし、家計・金融機関のバランスシート調整が実体経済を下押しするなかで、経済の拡大基調は弱いものとならざるを得ず、1.2%と6年ぶりに2%を割り込む成長にとどまろう。
わが国経済は、昨年6月の改正建築基準法の施行に伴う住宅投資の急速な落ち込みに加え、設備投資の増勢も鈍化するなか、07年度の実質経済成長率は1.6%にとどまった。08年度は、世界経済の減速を背景に、前年度の景気をリードした輸出の伸び悩みは避けられず、同時に、円高に加えて資源高が 交易条件(輸出物価指数/輸入物価指数)の悪化を通じて、企業収益の悪化・設備投資の抑制をもたらそう。企業部門をとりまく厳しい環境は、所得改善に向けての動きがみられるようになった家計部門に対しても下押し圧力を強め、雇用環境改善の頭打ちに加えて、物価上昇による実質購買力低下も手伝って、消費マインドの冷え込みが避けられそうにない。こうしたことから、08年度の実質経済成長率は前年度を下回る1.3%増にとどまり、わが国経済は調整色を強めよう。
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