日通総合研究所/吉祥寺における荷捌き実験結果を公表
吉祥寺における荷捌き問題への挑戦
市街地における商店街やオフィス街では、商店や建物に付随した駐車施設が十分ではないため、貨物車による商品の荷卸し・積込み(荷捌き)が路上に駐停車して行われる場合が多い。これらの貨物車の駐停車は、来街者が安心して買物をすることを阻害するだけでなく、交通渋滞の惹起や停車中のアイドリングによるCO2排出等で、市街地の交通環境を悪化させる。
このため近年、市街地の貨物車による荷捌き問題解決のためのTDM実証実験が都内各地で行われており、少しずつその成果が施策に取り上げられている。これらの地域のうち路上での荷捌きが一般化している吉祥寺駅北口商店街で、平成19年2月に実証実験が行われた。
本稿は荷捌き問題への取組みの事例としてこの実証実験を紹介すると同時に、実証実験を通じて得られた荷捌き問題への取組みで必要となる要件を提示する。
1.吉祥寺の特性と荷捌き問題の経緯
吉祥寺は、多摩地域でも有数の商業集積地として発展してきたが、近年、新宿等の都心部のリニューアルや立川、多摩などの台頭により、吉祥寺の商業環境は厳しさを増している。これらの地域では大規模な拠点整備などが行われているが、吉祥寺は歩行者の回遊性を軸とした繁華街であり、人が安心して回遊できる環境づくりが生命線となっている。回遊性を阻害する要因は多々あるが、貨物車による荷捌き問題はその重大な要因の一つにあげられる。吉祥寺では路上荷捌きが恒常化しており、交通渋滞、交通安全、大気等の生活環境、街の景観、歩行の快適性などに大きな影響を与えている。このため、平成17年から武蔵野市、商店街、輸送事業者等で構成する「吉祥寺共同集配システム検討委員会」が設置され、吉祥寺における荷捌き対策のあり方について検討が進められてきた。そして平成19年2月に、交通規制を含む荷捌き対策を中心とした実証実験注1)が行われた。
注1) TDM実証実験:Transportation Demand Management、交通需要マネジメント。自動車の効率的運用などで交通需要の調整を行い、結果として道路交通混雑を解消していく取組み。丸の内、六本木、町田市内、秋葉原、吉祥寺駅周辺などで実証実験が実施されてきた。














